2010 Fiscal Year Annual Research Report
Lバンド合成開口レーダーによる大気と大地のイメージング
Project/Area Number |
22340123
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋本 学 京都大学, 防災研究所, 教授 (20293962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 昭則 京都大学, 理学研究科, 助教 (10311739)
山本 圭吾 京都大学, 防災研究所, 助教 (40283676)
竹見 哲也 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10314361)
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Keywords | 合成開口レーダー / 地盤変動 / ALOS/PALSAR / 電離層 / 対流圏 / InSAR / 時系列解析 |
Research Abstract |
2006年~2010年前半までの室戸~岡山(パス417)のALOS/PALSARデータを解析し,スタッキング法を用いて経年的な変動を検出することを試みた.北行軌道のパス417において,全45ペアのうち時間基線長1年9ヶ月以上,Bperpが760m以下のペアを解析した.いくつかの干渉画像には,電離層の影響と考えられる擾乱が認められる.10cmを超える変動のほとんどが電離層の影響(伝播性電離層擾乱:TID)と考えられ,スタッキングに使用できないので,これらを除く総解析ペアの40%にあたる18ペアの画像を,Gammaのstacking関数を使用しスタッキングした.得られたスタッキング画像は,GPS観測変位からの合成干渉画像と四国においては概ね整合している. 上記の四国におけるSAR観測日のGPS-TECの変動を調べ,InSAR解析で得られる位相変化とGPS-TEC分布から推定される位相変化に正の相関があることを示した,また,気象庁の客観解析データ等を用いて,SAR観測域を中心とする地域の大気擾乱の計算を行った.特に山岳部においてInSAR画像に時折現れる擾乱によく似た水蒸気分布の特徴が認められた. 桜島火山を含む南九州地域のALOS/PALSAR画像を収集しInSAR解析を行った.これらを基にスタッキングと2.5次元解析を行い準上下方向の地盤変動を計算した結果,2007年~2010年の期間,桜島北部で地盤隆起,東部から南部にかけて地盤沈降が検出された.この期間における水準測量では,姶良カルデラ地下のマグマ溜りにおける増圧を反映した地盤変動が捉えられており,InSAR解析により得られた変動は,これらの水準測量結果とも調和的である.なお,観測時期によっては桜島や霧島の地形に対応した擾乱も現れることがあり,局地的な大気の擾乱と考えられる.
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Research Products
(12 results)