2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340131
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
小野 重明 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 主任研究員 (20313116)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 地球外核 / 化学組成 |
Research Abstract |
昨年度までの研究により、量子力学計算の計算精度が飛躍的に向上し、目的の結果を得ることができると予想された。そこで本年度は、液体鉄および鉄・軽元素系の液体について計算を行った。地球外核の化学組成は純粋な鉄でなく、軽い密度の元素が溶融していると考えられているためである。この軽い元素の正体を、スーパーコンピュータを用いた量子力学計算と、ダイヤモンドアンビルセル高温高圧実験との二つの異なる手法を有機的に結びつけて、外核候補物質の密度および地震波速度を精密に決定することが目的である。量子力学計算では、過去の研究より、高精度の計算結果が必要であるため、近年提案されている、高信頼度のポテンシャルを採用した。一方、一昨年度に立ち上げた室内実験機器を用いて、実験データ収集も継続して行った。高温高圧条件下で液体鉄の状態分析を行い、メルトの構造に対応するラマン光の波数データの測定がえられているので、量子力学計算で得られた結果と比較を行った。その結果が示していることは、非常に高い精度で、量子力学計算が液体鉄の構造を予言できているという事である。したがって、この研究手法を、軽元素が混じっている液体鉄へ応用した。軽元素としてケイ素を最大50%まで混ぜた液体鉄の密度と弾性波速度を見積もったところ、地震学的観測から見積もられている値を再現することは困難であることが判明した。この結果は、地球外核の候補となる軽元素にケイ素は不適格であることを示唆する。他の候補軽元素についても、同様の研究を行った結果、炭素と硫黄の計算結果が、現実の地球外核の物性値をほぼ再現することができることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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