2012 Fiscal Year Annual Research Report
衛星搭載アクティブセンサーによる雲微物理特性導出とその生成機構の解明
Project/Area Number |
22340133
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡本 創 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (10333783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石元 裕史 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 主任研究官 (70281136)
中島 孝 東海大学, 工学部, 教授 (70408029)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 雲レーダ / ライダ / 雲物理 / 氷粒子 / エアロゾル / 水蒸気 |
Research Abstract |
本課題では、衛星に搭載されたアクティブセンサである雲レーダとライダから、氷雲と水雲を解析し、雲微物理特性の生成のメカニズムを解明することを目指している。特に雲の物理特性の4年以上のデータに表れる特徴を衛星観測から求めることは、大きな柱の一つである。ここで課題となるのは、CALIPSO衛星搭載ライダのレーザーの照射角度が、2006年の打ち上げられた直後から真下から0.3度だけ傾けた状態だったのから、2007年11月に3度傾けて照射されるように変更されたことである。これによって、減衰された後方散乱係数の帯状平均値は、温度ー20度から0度の範囲で顕著に減少し、偏光解消度は増加を示していることがわかった。これらは、水平面に偏って配向している板状氷粒子によって引き起こされていると考えられる。この状況を実際の解析で取り込むには、まず、配向を含む詳細な粒子散乱モデルを作成する必要があった。従来の手法では、鏡面散乱に対応する、完全に真下向きの後方散乱特性の計算しかできなかったのだが、今回散乱理論の拡張に成功し、レーザ光を傾ける前と後で同じ氷粒子の配向状態に基づく散乱計算を実行した。理論計算からは、3度傾けると、粒子の水平面に対する角度分布を考慮した配向状態によっては、0.3度傾いた場合と比較して1桁くらい大きいこと、それらはサイズにも依存することがわかった。これらの計算結果をレーダ・ライダ解析アルゴリズムに導入し、2006年から2009年の10月の全球解析を実施した。この結果、帯状平均の形をほぼ変化ないレベルを仮定することで配向モデルのパラメータを決定することができた。Cloudsat衛星とCALIPSOと同期したAIRSセンサによる水蒸気解析も順調に進み、雲出現頻度と過飽和度は良い対応であった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(21 results)