2012 Fiscal Year Annual Research Report
降水雲上部における氷晶粒子の成長過程と粒径分布の観測とモデル化
Project/Area Number |
22340136
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坪木 和久 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 教授 (90222140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 博 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 教授 (80184935)
篠田 太郎 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助教 (50335022)
大東 忠保 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助教 (80464155)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 氷晶粒子 / 雲粒子ゾンデ / 雲解像モデル / CReSS / 降雪システム / 過冷却水滴 / 偏波レーダー / 粒子判別 |
Research Abstract |
昨年度に引き続いて、2011年2月8日~28日に北海道東部の陸別町と訓子府町で実施したXバンド偏波レーダーと雲粒子ゾンデ観測の解析を行った。雲粒子ゾンデ観測では厳冬期にも関わらず、雲上部に大量の過冷却水滴が観測された。このような事例は3事例あり、それらに共通して雲頂付近に強い安定層が存在し、その直下に厚さ100~200mの過冷却層が存在していた。この過冷却水滴の層は降水の形成だけでなく、雲頂部における放射過程に重要な役割を持つと考えられる。今後、この過冷却水滴層についての、放射伝達を計算し、これによる雲の冷却率を求める。 上記の観測期間中、2011年2月27日に、観測点を弱い上昇流を持つ降雪バンドが通過した。2台の偏波レーダーのドップラー機能から求めた上昇流は1m/s以下で、この弱い上昇流中における降雪粒子の形成過程を調べた。偏波レーダーを用いた雲内部の粒子判別から雲上部には扁平な氷晶が存在し、高度が下がるとともに雪片が存在する構造であることが推定された。これを雲内部に放球した雲粒子ゾンデの画像、及び地上における降水粒子の接写観測と比較し、偏波レーダーからの推定が妥当であることが確認された。これらのことから内陸部で形成された降雪バンドでは、あられが形成されず、氷晶と雪片による降雪機構であることが示された。 雲解像モデルCReSSの氷晶過程について、氷晶粒子の落下のインパクトを調べた。その結果、氷晶粒子を落下させることで、雲頂高度の予報が改善され、降水量について少ないながらも増加がみられること、さらに雲内における降水形成過程が変化することが明らかにされた。また、放射過程を通して台風の強度に大きなインパクトがあることを示した。この結果を踏まえて、粒径分布をモデル化した氷晶粒子の落下過程を雲解像モデルCReSSに導入した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)