Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河崎 善一郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60126852)
森本 健志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (60403169)
吉田 智 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00571564)
佐藤 光輝 北海道大学, 理学院, 講師 (50312541)
中村 佳敬 神戸市立工業高等専門学校, 助教 (70609817)
|
Research Abstract |
本研究では,雷放電の進展様相を可視化する広帯域干渉計および超高分解能な小型レーダネットワークを用いることによって,積乱雲の電荷構造と降雨構造を実時間に近い形で,間接的に,詳細に観測し,積乱雲の電荷構造の時間発展モデルを構築する。 2011年度は,前年度までに以下の3地点に配置した広帯域レーダによる試験観測を実施した。 (1)大阪大学豊中キャンパス,(2)枚方市渚水みらいセンター,(3)住友電工大阪製作所 主に夏季に,3地点によるレーダ同期観測を実施,3台のレーダによる合成画像を作成した。その結果,合成画像は,これまでにない高時間分解能(1分,10m)で3次元で,降雨の構造を示していることがわかった。また,複数のレーダの合成手法について,定量的な検討を行い,特にビーム広がりに伴う効果を評価した。その結果,10m程度の合成分解能を達成できることがわかった。さらに,冬季に山形県庄内空港において冬季竜巻の観測を行った結果,竜巻の構造とその時間変化を詳細に捉えることができた。これはこのレーダ観測が'時間変化の速い,小さな構造を有する災害気象現象の観測に有効であることを示す結果となった。一方,VHF広帯域干渉計およびLF広帯域干渉計を,近畿一円に7地点に殻置を完了し,運用を開始した。夏季および冬季に雷放電を記録し,その位置標定を行った結果,降雨エコーと良く一致し,その有効性を示すことが出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度においては,3台のレーダおよび雷放電位置標定装置による定常的な観測を,夏季を中心に実施する。そして,その解析を進める。解析は,レーダ画像と放電画像の重ね合わせと放電位置情報に基づいた電荷推定を行う。そして,積乱雲の電荷構造の時空間変化を議論する。
|