2010 Fiscal Year Annual Research Report
海洋地殻マントル物質の高温高圧下における弾性波速度測定
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22340160
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
有馬 眞 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (10184293)
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Keywords | オフィオライト / 弾性波速度 / 地殻 / マントル / オマーン |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、第一に、海洋地殻から上部マントルが露出したものと考えられているオマーンオフィオライトの構成岩石についてその地震波速度を求めること、第二に、海洋地殻の速度構造からその岩石学的構造について検討することである。本年度に実施した研究の成果は、 (1)高圧下での弾性波速度測定実験:地震波速度構造に岩石学的解釈を与えるためには、高圧実験により得られる岩石の弾性波速度データが重要な制約となる。オマーンオフィオライト産の地殻岩について、比較的広い圧力条件下(0.2-1.0GPa)での弾性波速度測定実験を行い、「空隙フリー」状態での弾性波速度を求めた。さらに得られたデータから圧縮率変化を求め、実験試料中の空隙率変化を見積もり、試料中の空隙がVp・Vs・Vp/Vs・ポアソン比に与える影響を定量的に検討した。(2)弾性波速度計算:オマーンオフィオライトの岩石学的構造と地震波速度構造の関係を大局的に理解するためには、オマーンオフィオライト産の岩石の弾性波速度計算値が重要な制約となる。弾性波速度を岩石試料の構成鉱物体積比と鉱物化学組成から算出した。試料の構成鉱物体積比は、まず試料の全岩化学組成と構成鉱物の化学組成からマスバランス計算により重量比を求め、構成鉱物の密度から体積比に換算した。 (3)オマーン国において約2週間の現地地質調査を実施し、オマーンオフィオライトの岩石学的構造の多様性を精細に記述し、多数の岩石試料を採集した。オフィオライトの岩石学的構造と地震波速度構造の関係を検討した。 平成23年1月31日に冨士ダイス株式会社に発注した「シリンダー下部板ケース入れ替」は、当該会社・郡山製造所が3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震と福島原発事故の問題拡大による行政指示により3/18まで操業が停止を余儀なくされ、さらに物流の目処が立たず現地への入場制限等の理由により当初予定していた納期に遅延が生じたため、平成22年度科学研究費補助金に係る繰越を行った。なお、「シリンダー下部板ケース入れ替」は平成23年5月に完了した。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Simultaneous measurements of compressional wave and shear wave velocities, Poissoh's ratio, and Vp/Vs under deep crustal pressure and temperature conditions : Example of silicified pelitic schist from Ryoke Belt, Southwest Japan2010
Author(s)
Y Matsumoto, Y., Ishikawa, M., Terabayashi, M., Arima, M.
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Journal Title
Island Arc
Volume: 19
Pages: 30-39
Peer Reviewed
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[Presentation] Seismic wave velocity of rocks in the Oman ophiolite : constraints for petrological structure of oceanic crust2010
Author(s)
Saito, S, Ishikawa, M, Shibata, S, Akizuki, R, Arima, M, Tatsumi, Y, Arai, S
Organizer
American Geophysical Union Fall Meeting
Place of Presentation
San Francisco
Year and Date
2010-12-14
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