2010 Fiscal Year Annual Research Report
負屈折率状態実現に伴う新奇プラズマ生成現象の観測と応用
Project/Area Number |
22340171
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒井 道 京都大学, 工学研究科, 准教授 (30362445)
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Keywords | プラズマ / メタマテリアル / 負屈折率 / 直列共振 / 高電子密度 |
Research Abstract |
まず、放電プラズマをメタマテリアルに導入するに当たり、通常のメタマテリアルとは異なる特質について、理論検討を行った。1点目はプラズマ導入に伴う誘電率の複素数化に関してであり、特に損失性が大きい場合には誘電率の実数部が正であっても屈折率の実数部は負となりうることを示し、プラズマ・メタマテリアルに限らず普遍的な性質としての負屈折率媒質の成立要件の拡張を行った。また、2点目はプラズマを含むことで生じる非線形性に伴う特性に関してであり、伝搬電磁波の振幅に依存して誘電率がサドルノード分岐を起こし、値として遷移(ジャンプ)しかつ履歴現象を伴うこと見出した。次に、それらの理論検討結果に基づき、負屈折率実現とプラズマ生成の同時進行現象に関する実験検討に着手した。直列共振構造体としては負の透磁率体として実績のある2重分割リング共振器のアレイ構造を選択し、まず電磁界数値解析により共振周波数を使用マイクロ波(2.45GHz)に合うよう構造をデザインした。そして、実際にアレイ構造を作製し、ベクトルネットワークアナライザにより特性を測定したところ、確かに使用マイクロ波周波数で透磁率が負となっていることを確認した。そして、最後に2重分割リング共振器のアレイ構造をプラズマ生成部に設置し、マイクロ波(約100W)を導入したところ、プラズマ生成が確認できた。2重分割リング共振器のアレイ構造が無い場合にもプラズマは生成されたが、構造が有る場合には発光強度が有意に強くなることが確認され、コンセプト通り空間の透磁率が負である場合にプラズマ密度の高密度化がなされることが示唆された。
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Research Products
(5 results)