2012 Fiscal Year Annual Research Report
負屈折率状態実現に伴う新奇プラズマ生成現象の観測と応用
Project/Area Number |
22340171
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒井 道 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30362445)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | プラズマ / メタマテリアル / 負屈折率 / 直列共振 / 高電子密度 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、メタマテリアルの内部要素として生成されるミクロなプラズマ密度分布がどのようにマクロなパラメータに影響を与えているか、ミクロな分布の観測を可動式プローブにより行い、メタマテリアル逆問題法による関連付けを行った。前年度に確認した、高出力(数百W)マイクロ波による負の屈折率状態と高密度プラズマの同時形成現象について、特にその密度の立ち上がり時の特性把握を行ったところ、最初はマイクロ波周波数で規定されるカットオフ密度程度で頭打ちの状態にあるものが、ある時点で急激にマイクロ波吸収電力が増加すると共に、カットオフ密度を大幅に越える電子密度へと上昇することがわかった。これは、屈折率が虚数から負状態に遷移する現象と、マイクロ波の入射エネルギーの増加、さらにプラズマ密度上昇が相互に影響を与えながら進行していることを示唆するものである。メタマテリアルにおけるこのような遷移現象の実証と確認は、世界的にみても画期的な成果となった。 また、前年度開発した光周波数コム型レーザ吸収分光法を確立し、上記のようなパラメータのプラズマ診断が可能であることを示した。 さらに、このプラズマ生成と負屈折率状態の同時実現現象を、実際のプラズマプロセスへと応用するため、電子レンジ型バッチプロセス装置の開発を行った。すなわち、市販の電子レンジの中にL-C 共振器アレイとプラズマ生成用ガスの保持空間を確保し、電子レンジの電力(2.45 GHz)投入によりプラズマ生成を行った。放電用ガスとしてはアルゴンガスをガラス管に大気圧で封入したものをアレイ状に多数配列し、L-C 共振器アレイと組み合わせて配置した。すると、部分的にではあるが、ガラス管内に大気圧マイクロ波プラズマの生成を確認した。すなわち、大気圧下で、しかも安価に入手できる電子レンジにより、メタマテリアル効果を通したプラズマ生成法の提案に至った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)