2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ物質設計を目指した振動分光による分子活性化多元素クラスターの探索
Project/Area Number |
22350004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
真船 文隆 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50262142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮島 謙 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (20365456)
安池 智一 分子科学研究所, 理論計算分子科学研究領域, 助教 (10419856)
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Keywords | 触媒反応 / 多元素 / クラスター / 白金 / ロジウム / 一酸化炭素酸化反応 / 質量分析 / 一酸化二窒素還元反応 |
Research Abstract |
本研究の目的は、気相クラスターを研究のためのツールとして用い、その知見から小分子の結合の活性化を誘起する多元素微小物質を設計し、それをマクロスケールで合成、評価する、さらに量子論的なアプローチからその新規物質の性能評価を行うことである。本年度は、まず、ロジウムの中性クラスターに着目し、これらとN20およびCOとの触媒反応の反応性を明らかにした。ロジウムは常温でN20と反応し、酸素を受け取って窒素分子を放出する。この反応は逐次的に進行し、N20分子の濃度が高くなると、5,6個の酸素原子がロジウムに受け渡される。これらとCOとの反応性を調べた結果、COがロジウムの表面から酸素を受け取ってCO2が生成することがわかった。またこのときの反応速度定数を求めたところ、ロジウム上に付着した酸素の数が大きいほどCO酸化反応の反応速度定数が大きいことがわかった。この結果を踏まえて、白金の中性クラスターと反応性を比較すると、白金クラスターでは、多数の酸素が付着する状態が実現されないことがわかった。実験では、高々2個程度の付着までしか確認されず、これらとCOの反応では、白金クラスターに対するCO付着が主に観測された。また、実用触媒で重要な、触媒と基板の相互作用を調べる新たな研究として、チタニア上に金クラスターを付着させた新規なクラスターの合成に成功した。また、これらとCOの反応性を求め、チタニアの酸素欠陥、あるいは酸素過剰なサイトと反応性の関連を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である、小分子の結合の活性化を誘起する多元素微小物質を設計に対して、それの基礎的なデータが集まりつつある。また、量子論的なアプローチからの物質の性能評価に関しても共同研究が良好に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を計画どおりに遂行する。
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