2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ物質設計を目指した振動分光による分子活性化多元素クラスターの探索
Project/Area Number |
22350004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
真船 文隆 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (50262142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安池 智一 分子科学研究所, 理論計算分子科学研究領域, 助教 (10419856)
宮島 謙 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (20365456)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | クラスター / 酸化物 / 質量分析 / イオン / 反応性 / 還元 |
Research Abstract |
酸素を含むヘリウムのキャリアガス中で、ニッケルをレーザー蒸発することによりニッケル酸化物クラスターを合成した。ニッケル酸化物クラスターとしては、ニッケルと酸素の割合が1:1のものが主に生成し、生成後、延長管の中で加熱をしてもその組成はほとんど変わらなかった。 ニッケル酸化物クラスターとCOとの反応では、もっぱらCOがクラスターに対して付着したものが生成した。これらCOは、延長管を加熱することで気相中に脱離した。このことから、COはクラスターに弱く付着していることが分かった。一般の質量分析法では、COが弱く付着したのか、強く結合をつくっているのかを区別できない。しかし、本研究で用いた加熱法を併用すれば、結合の様式に関する情報がわかり、クラスターと分子の反応を解明するとても有用な方法であると言える。 一方、ニッケル酸化物6量体を代表例として、いくつかのクラスターでCO酸化反応Ni6O6+ + CO → Ni6O5+ + CO2 が観測された。これらの反応速度定数は、付着反応に比べて一桁程度低いことが分かった。 一方、酸素を含むヘリウムのキャリアガス中で、銅をレーザー蒸発することにより銅酸化物クラスターを合成した。銅酸化物クラスターとしては、銅と酸素の割合が3:2から1:1の間のものが主に生成するが、延長管の中で加熱をすると組成が3:2程度のものに収斂することが分かった。銅原子は、+1価あるいは+2価の原子価をとることが知られている。バルクで、CuOあるいはCu2Oの組成となるが、クラスターを加熱することと、+1価と+2価の混合原子価状態となることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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