2011 Fiscal Year Annual Research Report
超高深さ分解計測を用いた高温ナノイオニクス現象の解明と高活性燃料電池電極の創製
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22350007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内本 喜晴 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (50193909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折笠 有基 京都大学, 人間・環境学研究科, 助教 (20589733)
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Keywords | 燃料電池 / 電極反応 / 固体イオニクス / X線吸収 / その場分析 |
Research Abstract |
本研究では、高温固体電気化学反応機構の解明と学理の確立を目的とし、格子間酸素を含むLn2-xSrxNiO4はおよび酸素欠陥を含むLa1-xSrxCoO3等の3d遷移金属を含むペロブスカイト類縁構造酸化物を電極材料として取り上げた。前年度は、それぞれの化合物のバルク物性を明らかにした。本年度は、高温で雰囲気・印加電圧を制御しながらX線吸収分光測定を行うことができる高温電気化学in situ XAFS測定手法を確立した。測定用サンプルチャンバ内部に小型の三電極式電気化学セルを設置し、これに通電することにより、デバイス作動時に相当する状態での電極・電解質材料のXAFS測定を可能にした。測定に際しては、試料と入射X線が一定角度にならないように、セルをジンバル運動させ、回折X線を軽減した。さらに、セル周囲に小型電気炉を配置することにより1000℃までの昇温を、セル全体をカプトン膜窓付容器で覆うことによりセル周囲の雰囲気制御を可能とした。代表的なカソード材料であるLa0.6Sr0.4CoO3-δ(LSC)を用いたSOFC作動環境下でのinsitu観察を行った。Gd添加CeO2(GDC)上に作製したLSC緻密薄膜電極をモデル電極とし、SOFC作動条件下でのLSC内の酸素ポテンシャル分布を評価すると共に、LSC/GDCにおける酸素還元反応について考察した。酸素不定比性を有するLSCではポテンシャルの評価方法として前年度までに得られたXANESによるCoの平均価数変化が利用できる。その結果、GDC電解質上のLSC緻密電極では、分極によって電極内の酸素ポテンシャルが変化し、その変化量が対応するp(02)変化によるものとほぼ一致すること、反応の律速過程は電極/気相界面での表面反応であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
既に、基礎的知見として、格子間酸素を含むLn2-xSrxNiO4はおよび酸素欠陥を含むLa1-xSrxCoO3等の3d遷移金属を含むペロブスカイト類縁構造酸化物の各酸素分圧でのバルク物性(欠陥平衡)を明らかにしている。さらに、目的とする高温固体電気化学反応機構の解明と学理の確立のための新規手法として、燃料電池作動条件下でのその場X線吸収測定手法の確立の成功し、酸素欠陥系における反応機構の解明にも成功している。最終年度に向けて、これらの確立した方法論と知見を基に、高温電気化学系全体に適用出来る学理の提案が可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
酸素欠陥を含むLa1-xSrxCoO3等の3d遷移金属を含むペロブスカイト類縁構造酸化物のみならず、格子間酸素を含むLn2-xSrxNiO4系酸化物についても化合物の検討範囲を広げ、確立した燃料電池作動条件下でのその場X線吸収測定手法を用いて、反応機構の解明を行う予定である。
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Research Products
(3 results)