2010 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ナノ構造体の界面エンジニアリングとキャリアダイナミクスの極微分光
Project/Area Number |
22350012
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
玉井 尚登 関西学院大学, 理工学部, 教授 (60163664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 一禎 関西学院大学, 理工学部, 教授 (10283631)
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Keywords | 化合物半導体 / 量子ドット / オージェ効果 / 逆オージェ効果 / 励起子 / 時間分解発光分光 / フェムト秒過渡吸収分光 |
Research Abstract |
1. 有機物を保護剤としたCdTe量子ドット(QDs)を用いて複数励起子を発生させ、BiexcitonやTriexitonの結合エネルギーをストリークカメラによる時間分解発光スペクトルから解析した。その結果、Biexcitonの結合エネルギーは30~60meV、Triexcitonは80~160meVと粒径の減少と共に大きくなり、CdSe QDsの値よりも大きく量子閉じ込め効果を強く受けていること、Triexcitonは1P状態の性質を持っており分極しやすい為に結合エネルギーが大きい事が示唆された。 2. CdTe QDsを用いて、励起子発光寿命の励起光強度依存性を詳細に解析する事によりオージェ再結合の温度依存性(10~298K)を明らかにした。その結果、(1)CdTe QDsのオージェ再結合寿命は温度の低下と共に緩やかに増加すること、(2)バルクのオージェ再結合にあるような活性化障壁が存在しないこと、(3)オージェ再結合の終状態にフォノンが関与していること等が明らかになった。 3. SiO_2でコートした、内部にCdSナノクラスターを含むCdTe QDsのオージェ再結合を過渡吸収分光法により解析した。その結果、クラスターサイズが大きくなるとCdTeそのものに比べて再結合寿命が4倍近く長くなり、直接のシェル構造を持たなくてもCdTe QDs周りにCdSクラスターが存在するだけでオージェ再結合を抑制できることが明らかになった。 4. CdSナノロッドとCdS QDsの3次の非線形効果である2光子吸収を2光子蛍光法を用いて解析したところ、CdSナノロッドの2光子吸収断面積はQDsに比べ1桁以上大きな値を持つことが分かった。
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Research Products
(21 results)