2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22350014
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山口 祥一 独立行政法人理化学研究所, 田原分子分光研究室, 専任研究員 (60250239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細井 晴子 東邦大学, 理学部, 講師 (00313396)
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Keywords | タンパク質 / セグメント / ヘテロダイン検出電子和周波発生 / パラニトロアニリン / システイン / リシン / Hisタグ / ニッケル修飾ガラス表面 |
Research Abstract |
研究実施計画に記載した平成22年度の研究計画通りの研究実績を挙げることができた.以下,項目ごとにその内容を記す. (1)タンパク質の1セグメントをHD-ESFG(ヘテロダイン検出電子和周波発生)アクティブにする方法を確立した.具体的には,一端にシステインと選択的に反応する官能基,他端にリシンと選択的に反応する官能基を有するパラニトロアニリン誘導体を合成した.このパラニトロアニリン誘導体が,実際にペプチドに付加することを,マススペクトロメトリーと高速液体クロマトグラフィーによって確認した.このように,2つの残基に非対称に結合するプローブ色素は,我々が世界で初めて開発したものである.その非対称によって,タンパク質のセグメントの上下の向きを知ることができる. (2)タンパク質の配向膜の作製法を確立した.具体的には,ニッケル修飾されたガラス表面の作製方法を確立し,そこにHisタグを有するタンパク質を吸着させた.典型的には,1nm^2あたり1分子程度の表面密度の配向膜を作製した.この表面密度は,目的達成に十分な大きさである. (3)HD-ESFG装置の高感度化に成功した.具体的には,高感度なCCDを用いたことと,サンプル用の自動ステージを導入したことによって,高感度化することができた.典型的な非共鳴バックグラウンド信号の1/10程度の強度の信号まで測定できるようになった.このような小さな信号まで測定できる和周波発生分光装置は,世界でも我々のもののみである.
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Research Products
(7 results)