2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22350014
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山口 祥一 独立行政法人理化学研究所, 田原分子分光研究室, 専任研究員 (60250239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細井 晴子 東邦大学, 理学部, 講師 (00313396)
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Keywords | タンパク質 / セグメント / ヘテロダイン検出電子和周波発生 / パラニトロアニリン / システイン / リシン / Hisタグ / ニッケル修飾ガラス表面 |
Research Abstract |
提案した新しいタンパク質高次構造解析法によってセグメントの配向を決定出来ることを,モデルタンパク質を用いて実際に証明した.具体的には,αヘリックスを形成する21残基の合成ポリペプチドをモデルタンパク質として用いた. モデルタンパク質をニッケル修飾ガラス表面上に吸着させて作製した配向膜の品質は,まず円二色性分光で調べた.CDスペクトルの形状から,モデルタンパク質はきちんとαヘリックスを形成していることを確認した.次に,ヘテロダイン検出振動和周波発生分光法(HD-VSFG)によって,アミドI領域の振動共鳴二次非線形感受率を測定し,ガラス表面上のモデルタンパク質の"上下"の向きを調べた.その結果,C末端にHisタグを導入したモデルタンパク質は上向き,N末端のものは下向きと,思った通りの配向を実現できていることを確認した. モデルタンパク質の一つの残基をシステインに変異させて,マレイミド基を有する色素分子を導入した.その色素分子の電子遷移に共鳴する二次非線形感受率を,ヘテロダイン検出電子和周波発生分光法(HD-ESFG)によって測定した.その結果,電子遷移に共鳴する二次非線形感受率の符号によって,ガラス表面上のモデルタンパク質の上下の向きを決定できることを示した. 以上の結果は,より大きなタンパク質においても,ある一つのセグメントの残基を変異させて,そこに色素分子を導入してHD-ESFG測定を行なえば,そのセグメントの上下の向きを決定できることを意味している.従って,より大きなタンパク質の高次構造解析という次のステップに進むことができる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に記載した,平成23年度中に実施予定の事柄を全て行なうことが出来たので,おおむね順調と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
新しいタンパク質高次構造解析法を,より大きなタンパク質に適用する.まずトポロジーの既知のタンパク質を用いる.次に未知のタンパク質に挑戦する、
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Research Products
(5 results)