2010 Fiscal Year Annual Research Report
ホスホールを基軸とする新奇π共役分子の構築と機能探索
Project/Area Number |
22350016
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
俣野 善博 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40231592)
|
Keywords | ホスホール / 酸化還元 / 電荷移動特性 / 縮環 / X線結晶構造解析 / 電子受容能 / 電子輸送能 / 有機薄膜太陽電池 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ホスホールを基軸とする新奇π共役分子を構築し、その構造-物性相関を明らかにした上で、ホスホール及びπ共役部位それぞれの特性が相乗的に発揮されるような機能性材料の設計指針を提案することである。平成22年度は、2,5-ジアリールホスホール誘導体、および芳香環が両β位で縮環したベンゾ[c]ホスホール誘導体を主な研究対象として研究を進めた。まず、クロスカップリング反応を基軸とするホスホール環両α位の化学修飾法を確立し、さまざまなアリール基(2-ピロリル基、2-チエニル基、2-フリル基、パラ置換フェニル基)を有する2,5-ジアリールホスホール誘導体、およびベンゾ[c]ホスホール誘導体を合成した。次いで、X線結晶構造解析、吸収・発光スペクトル、酸化還元電位測定により、合成したπ系の結晶構造、吸収・発光特性、および電子受容性を明らかにした。鎖状π系である2,5-ジアリールホスホールについては、ホスホールに連結したアリール基や末端の官能基がπ系全体の吸収・発光特性に与える電子効果を系統的に調べ、リン上の酸化・還元と末端置換基の電子供与性・電子求引性の組み合わせにより、励起状態における分子内電荷移動特性が大きく変化することを明らかにした。また、比較的高い電子受容能と熱安定性を持つ[c]縮環ホスホールについては、Time-of-Flight法を用いて電子輸送能を評価し、リン上が酸素化された誘導体が比較的高い電子移動度を示すことを明らかにした。現在、有機薄膜太陽電池の電子輸送層としての性能を評価中である。
|
Research Products
(4 results)