2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22350020
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古田 弘幸 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40244157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸叶 基樹 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (80372754)
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Keywords | コロール / 混乱異性体 / 複核錯体 / ヘキサフィリン |
Research Abstract |
1.N-混乱コロール金属錯体の合成 通常コロールは分子内に3個の水素を有しているため3価の金属イオンと中性錯体を作り、ポルフィリンでは達成できない高酸化状態の金属を安定化することができる。この特性がN-混乱コロール(NCC1-4)でどのように変化するかを種々の金属錯化を用いて検討した。混乱型コロール異性体NCC2では、安定な銅(III)錯体を与えたのに対し、ビピロール部位が混乱したNCC4では、内部炭素同士が連結した二量体が形成されることが判明した。この二量化銅錯体を還元して脱メタルを行った所、単量体フリーベースが得られた。また、錯化方法を変えることにより、単量体銅(III)錯体の合成にも成功した。 2.一重N-混乱ヘキサフィリン複核金属錯体の合成 一重N-混乱ヘキサフィリンがパイ共役多核金属錯体の一般配位子として機能しうることを、金及び白金錯体を用いて明らかにした。特に金属の種類、価数が異なる複核錯体を合成しうることから、混乱ヘキサフィリンの汎用性を示すことに成功した。 3.混乱型環拡張型コロール(ヘキサコロール)の合成と金属錯化 N-混乱サフィリンや二重N-混乱ヘキサフィリンで明らかになったように、混乱ピロールは環拡張により反転構造を取りやすくなる。二重N-混乱ヘキサコロールを合成し、環空孔内に価数の異なる2種の金属イオン(銅(II),銅(III))を配位させたところ、スピン数3/2の錯体が得られることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
化合物の合成に成功しており、化合物の量も十分供給できることから、今後の物性検討は十分可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に従い、研究を行う。さらなる構造知見を得るために、単結晶X線構造解析のために周辺置換基の変換も試みる。
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Research Products
(45 results)