2012 Fiscal Year Annual Research Report
開殻種の自己会合の精密制御による超分子ワイヤーの創製
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22350021
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西長 亨 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (30281108)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | π共役オリゴマー / チオフェン / ピロール / ラジカルカチオン / ジカチオン / 自己会合 |
Research Abstract |
(1)部分被覆によるπダイマー形成の精密制御 オリゴチオフェンラジカルカチオンのπダイマー形成を駆動する因子を明らかにすることを目的に、両末端にビシクロオクテン(BCO)基を縮環させたチオフェン4量体および5量体と、BCO基の縮環する位置や数を変化させた3種類のチオフェン4量体を設計・合成し、それぞれのの溶液中でのπダイマー形成能と分子構造との相関について、吸収スペクトル、ESRおよび量子化学計算から詳細に検討した。その結果、鎖長が同じ場合は、SOMO-SOMO相互作用が最も重要な因子であることを明らかにした。この結果は、πダイマー形成を用いた超分子化学において重要な設計指針を与えるものである。 (2)BCO縮環オリゴチオフェンで保護した金微粒子の導電性 オリゴチオフェン ラジカルカチオンのπダイマー形成が導電性に与える影響について知見を得るため、2つのBCO縮環チオフェンと2つの無置換のチオフェンで構成されるオリゴチオフェン4量体のチオラートで安定化させた金微粒子の導電性について調査を行った。これらの金微粒子で作製したフィルムについて、導電性の測定を行ったところ、中性ではほとんど導電性を示さなかった。一方この金微粒子のフィルムをヨウ素の蒸気に曝した後、再度、導電性を測定すると、10000倍もの導電性の向上が観測された。このことはπダイマー形成が電気伝導の経路を形成するのに重要な役割を果たしていることを示唆している。 (3)ジカチオン状態でC字型に折りたたまれるオリゴマー分子の合成 表題オリゴマーの部分構造であるジチエニルピロールに種々の置換基を導入し、ラジカルカチオン塩の高度安定化とπダイマー形成能の置換基の効果を明らかにした。また、オリゴマーの中心に芳香環を縮環させることにより、ジカチオンのビラジカル性が向上することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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