2013 Fiscal Year Annual Research Report
不飽和環状有機金属化合物の歪んだsp炭素の性質を利用する機能性分子の創製
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22350022
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
鈴木 教之 上智大学, 理工学部, 准教授 (90241231)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ジルコニウム / 環状アレン / イオウ / 窒素 / 複素環 |
Research Abstract |
これまでの検討において、窒素を含む安定な五員環有機金属環状アレンの合成を報告していたが、イオウやリンを含む類縁化合物は知られていない。そこで今年度は、リン原子および硫黄原子を含む五員環アレンの合成を目指した。 アルキニルリンオキシド、スルフィドを用いて低原子価ジルコノセン錯体との反応を試みた。反応溶液を分析したところ期待されるジルコニウムとリン、酸素または硫黄を含む環状化合物の生成が示唆されたが、単離には至っていない。また、副生する化学種として、ジルコニウムスルフィド、オキシドが観察されたことから、5価のリン化合物が系中で容易に還元されることがわかった。 次にアルキニルチオアミドを原料としてイオウを含む複素五員環有機金属環状アレンの合成を試みた。期待されたとおりNMRでは非等価なシクロペンタジエニル基が観察され、一つの分子の結晶から分子構造の決定に成功した。確かに硫黄とジルコニウムを含む五員環アレン構造が形成されているが、金属の相対にある二重結合からの相互作用がある可能性があり、今後の検討課題として残った。 また、ジエンイン化合物類縁体を出発として、単核および複核の錯体を合成した。複核錯体においては、二つのブタジエン錯体が縮環した構造を有しており、それぞれの不飽和結合と金属との相互作用が確認される。有機金属のブタジエン錯体は数多く知られているが、その縮環型複核構造は報告例がない。また単核錯体では従来の五員環アレン構造を有することがわかった。この結果から、五員環アレンの中央四級炭素にカルベン様性格を考え、他金属に配位する能力があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)