2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22350023
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
山高 博 立教大学, 理学部, 教授 (60029907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 祐志 立教大学, 理学部, 教授 (00434209)
古明地 勇人 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 主任研究員 (30357032)
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Keywords | 有機化学反応 / シミュレーション / 量子化学 / 遷移状態 / 溶媒効果 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画にあげた3項目のうち、第1のFMO-MD法の開発拡充については、計画通りFMO法にその発展として3体フラグメント補正項を含むFMO3を実装した。さらに、MP2の微分計算エンジンの開発を行い、ベンチマーク計算を実施した。第2の有機反応の経路分岐現象の検討に関しては、気相での分子動力学シミュレーションによってベックマン転位のモデル反応において経路分岐現象を見いだしたのに続いて、有機化学実験による検討を行った。まず、9種類の置換1-phenyl-2-propanone,3-phenyl-2-butanone,および3-methyl-3-phenyl-2-butanoneのオキシム誘導体を合成し、これらの水性アセトニトリル中での反応を解析して、反応における経路分岐現象に関する実験的証左を得た。また、この研究の新たな展開として、シュミット転位反応やE2/E1cb脱離反応についても気相での分子動力学シミュレーション計算を行い、これらの反応でも経路分岐現象が存在することを見いだした。これらの結果は、有機反応のダイナミクス支配が一般の予想を超えて広く起こっていることを示唆している。第3の水溶液中での有機反応の微視的挙動の研究に関しては、置換反応だけではなく異なるタイプの反応における水中での微視的機構を解明するため、アミンのカルボニル化合物への付加反応について検討した。その結果、反応の進行に伴う溶媒分子の配座変化の様子を明らかにすることができた。中でも、複数の溶媒水分子を介したプロトンリレーの存在が明確に観察され、このプロトンリレーが協奏的反応を可能にしている様子が明らかとなった。これらの成果は、それぞれ化学分野のtop journalに発表した。
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[Journal Article] Large-scale FMO-MP3 calculations on the surface proteins of influenza virus, hemagglutinin (HA) and neuraminidase (NA)2010
Author(s)
Y.Mochizuki, K.Yamashita, K.Fukuzawa, K.Takematsu, H.Watanabe, N.Taguchi, Y.Okiyama, M.Tsuboi, T.Nakano, S.Tanaka
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Journal Title
Chemical Physics Letters
Volume: 493
Pages: 346-352
Peer Reviewed
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