2012 Fiscal Year Annual Research Report
金属イオンの動的特性を活かした機能性自己集合系の構築
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22350025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平岡 秀一 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (10322538)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 自己組織化 / 多核錯体 / ヘキサフェニルベンゼン / 分子カプセル |
Research Abstract |
本研究では,ヘキサフェニルベンゼン骨格を持つ多座配位子を用いた自己組織化錯体の開発を行った。これまで、C3対称性と有する置換ヘキサフェニルベンゼンの合成を行うと置換基位置の異なる異性体の生成が起こり、効率的な合成がなかった。そこで本年度は、本研究で得られる自己集合性錯体を簡便かつ大量に行い、広い応用性を目指す意味で、構成要素となる多座配位子の合成手法の開発を推進した。その結果、臭素化したヘキサフェニルベンゼンに対して6当量のt-BuLiを低温下加えて、その後室温付近まで温度を上昇すると、ハロゲン-リチウム交換が効率的に進み、熱力学的に安定なC3対称性のヘキサフェニルベンゼン誘導体へ変換できることが明らかとなった。また、本手法を応用することで、これまで合成が極めて困難なC2v型の3つの置換基が導入されたヘキサフェニルベンゼン誘導体も効率的に合成することに成功した。また、このヘキサフェニルベンゼン系におけるハロゲン-リチウム交換の機構やC3対称型が熱力学的に安定化する理由について、合理的なモデルとして近接するベンゼン環のイプソ位間のp軌道の相互作用による共役が重要な役割を果たしていることも明らかとなった。さらに、この手法を用いて、3つの3-ピリジル基と種々の置換基を有する歯車状の金属配位子を簡便に合成することが可能となり、本研究では、これらから得られる多核金属錯体の自己組織化挙動や安定性、光学特性を詳細に調べることがはじめて可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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