2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22350029
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉村 一良 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70191640)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道岡 千城 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (70378595)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 二次元電子系 / 遍歴磁性 / 超伝導 / スピン揺らぎ / スピンフラストレーション |
Research Abstract |
本研究は新規二次元電子系化合物の物質探索とその物性評価を目的としている。今年度の中心は、ThCr2Si2型構造(I4/mmm)を有する化合物群であり、SrCo2P2での遍歴電子メタ磁性転移、LaCo2P2, ACo2Se2(A=アルカリ金属など)における二次元遍歴電子強磁性についての研究である。 AECo2P2(AE=アルカリ土類、希土類など) やACo2Se2は辺共有したCo2P2四面体層とAEやAサイト層が交互に積層した構造であり、鉄砒素系超伝導体と同じ構造である。またAE-Aサイトに入る原子によって種々の磁性を示すことが明らかになっているが、基本的に本物質群での秩序相においては、Co2P2面内で磁気モーメントが強磁性的に揃っており、二次元遍歴電子強磁性が本質である。これらの強磁性体において、共通してキュリー温度近傍でアロットプロットは成り立たず、M5=Hが成立することが明らかになり、自由エネルギーのランダウ展開の磁化の6次の項が非常に重要であることが明らかになった。 またSrCo2P2での遍歴電子メタ磁性転移でも、転移が2段ステップの転移となっていることが明らかになり、常磁性状態の中で一旦メタ磁性転移が起こり、その後、強磁性状態へメタ磁性転移すると考えることによって初めて説明が付き、自由エネルギーの磁化の6次の項の重要性を明確に裏付けている。 さらに、NMRを用いた実験や遍歴電子強磁性に対する拡張されたスピンゆらぎ理論による解析によって、これら遍歴電子系の二次元強磁性およびメタ磁性転移が定量的に理解できることがわかった。 これらの結果はこの物質系が基本的に二次元遍歴電子強磁性量子臨界点近傍の物質群であることを示していて、昨年度まで研究してきたFe(Te-Se)系やAFe2Se2系(A=Tl, K, Csなど)の鉄系超伝導と対比すべき系であり興味深い結果と言える。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(13 results)
-
-
-
-
[Journal Article] An oxyhydride of BaTiO3 exhibiting hydride exchange and electronic conductivity2012
Author(s)
Yoji Kobayashi, Olivier J. Hernandez, Tatsunori Sakaguchi, Takeshi Yajima, Thierry Roisnel, Yoshihiro Tsujimoto, Masaki Morita, Yasuto Noda, Yuuki Mogami, Atsushi Kitada, Masatoshi Ohkura, Saburo Hosokawa, Zhaofei Li, Katsuro Hayashi, Yoshihiro Kusano, Ju
-
Journal Title
Nature Materials
Pages: 3302/1-5
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-