2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22350037
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新留 康郎 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50264081)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 金ナノロッド / 銀シェル / 結晶成長 / 分光特性 |
Research Abstract |
銀シェル金ナノロッドは棒状の金ナノ粒子である金ナノロッドの周りに銀をシェルすることによって得られる異方性コアシェルナノ粒子である。銀シェル金ナノロッドは、可視~近赤外域に4つの消失ピークを持っており、粒子あたり1011オーダーのモル吸光係数を有する 銀は溶液中では比較的不安定な金属であり適切な酸化剤が存在することによって比較的容易に溶解する。本研究ではまず銀シェル金ナノロッドを基板に固定し、その分光特性を検討した。基板の角度を変えて吸収スペクトルを測定することで、プラズモンバンドの振動モードのアサインを行った。この成果はOptics Commun. 誌(2012, 285, 3419)に報告されている。 さらに、銀シェルの電気化学的酸化溶解に伴う分光特性変化を明らかにした。銀シェルの酸化挙動および銀イオンの還元挙動はin-situ分光吸収測定によって明らかにされた。実験結果は銀の酸化溶解が共存する電解質の影響を強く受けることを示した。この成果はJ. Phys. Chem. C (2013, 117, 2521)に報告されている。 一方、酵素反応によって銀シェルの溶解を制御できることも明らかにした。ガラス基板に固定した銀シェル金ナノロッドの銀シェルは、過酸化水素によって溶解する。反応前に4つのバンドを示していた基板は銀の溶解に伴って可視域の吸収が減少し、最終的には金ナノロッド固定基板に近い分光特性に変化した。この基板に過酸化水素を分解する酵素であるカタラーゼ、HRPを固定し、銀シェルの溶解の抑制が可能かどうかを検討した。酵素固定基板の銀シェル溶解は強く抑制されることが明らかになった。これは銀シェル固定基板を用いた免疫定量が可能であることを強く示唆する結果である。この成果は現在特許申請の手続きをするとともに、学術論文として投稿の準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)