2011 Fiscal Year Annual Research Report
スピロ型配位子を活用する触媒的分子骨格構築反応の開拓
Project/Area Number |
22350041
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笹井 宏明 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90205831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝澤 忍 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50324851)
竹中 和浩 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (20423113)
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Keywords | スピロ / SPRIX / キラル配位子 / チオアミド / イオン液体 / NHC / トリアゾール / Huisgen反応 |
Research Abstract |
スピロ化合物の特徴的なキラリティーを活用する配位子の設計と合成を検討した。以前報告したスピロビスイソオキサゾリン配位子"SPRIX"については、種々の誘導体を合成して触媒反応に用いることで、4つのイソプロピル置換基の効果を明らかとした。また、通常の既存の配位子では進行しないβ,γ-不飽和カルボン酸の5-endo-trig型環化について、DFT計算によりその反応機構を解明した。この過程において、高い不斉誘起能を持つことが期待できるSPRIXを設計し、合成を行っている。さらに、塩素化を伴うPd(II)/Pd(IV)触媒反応について、SPRIXを用いることでエナンチオ選択的に反応が進行することを見いだした。 新しいスピロ型配位子についても設計と合成を検討し、以前報告したスピロビラクタムから硫黄を含むチオアミド系配位子を合成し、種々の遷移金属と錯体を形成することを明らかとした。このスピロビチオラクタムは、オキサゾリンよりも弱く、ジエン型配位子よりも強い特徴的な配位能を持っており、新規反応の開拓が期待できる。 分子内ダブルHuisgen反応によるスピロビトリアゾールの合成と、その光学分割にも成功し、イオン液体や含窒素複素環カルベン配位子へと変換した。現在、合成した上記のスピロ型化合物を活用するエナンチオ選択的触媒反応の探索を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SPRIX配位子を用いるいくつかの新規反応を見いだし論文として公表した。また、スピロピストリアゾリウム塩がイオン液体となることを見いだした。
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Strategy for Future Research Activity |
スピロビトリアゾールから誘導できるイオン液体やNHC型配位子を活用するエナンチオ選択的触媒反応を探索する。また、スピロビストリアゾールやSPRIXの触媒的不斉合成を検討する。
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Research Products
(18 results)