2014 Fiscal Year Annual Research Report
酵素機能を凌駕した人工脱水縮合反応の設計と薬理活性有機分子構築への応用
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22350044
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
椎名 勇 東京理科大学, 理学部, 教授 (40246690)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 有機化学 / 有機合成化学 / 縮合反応 / 不斉合成 / 不斉エステル化 / 速度論的光学分割 / 光学活性アルコール / 光学活性カルボン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度我々は、不斉触媒である(S)-β-Np-BTMの存在下、ピバル酸無水物を脱水縮合剤として用い、求核剤にジ(α-ナフチル)メタノールを作用させることで種々の2-アリールプロピオン酸類が効率良く速度論的光学分割(KR)され高い反応速度比を与える現象を発見した。ここで確立したKRは光学的に純粋な両鏡像異性体をそれぞれ調製したい場合には有効な手段となるが、ラセミ体を原料とする方法であるため収率が50%を越えないという原則に縛られる。一方、特定の条件の下で原料のラセミ化を促すことができれば、ルシャトリエの法則に則り理論上100%の収率で一方の鏡像体に収束させることも可能になる。そこで我々はこの概念をラセミカルボン酸の不斉エステル化に適用し、ラセミ体のカルボン酸から100%に近い収率で光学的にほぼ純粋なカルボン酸エステルを与える新奇反応、すなわちラセミカルボン酸の動的速度論光学分割法(DKR)の開発を試みることにした。詳細な反応条件の検討を通じて上記DKR法は溶媒の極性に応じて効率が劇的に変化することを突き止め、最終的にN,N-ジメチルホルムアルデヒド(DMF)中で反応を行うことにより、様々な置換基を芳香環に導入した2-アリールプロピオン酸類がDKRの対象となり得ることが分かった。同様に、ラセミ体の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)も一方の鏡像体に高収率で変換することができる。引き続き、イブプロフェンやナプロキセン等の汎用NSAIDsの光学活性体をさらに高い鏡像体過剰率で得るために、我々はDKRとKRを組み合わせて用いる手法(DKR/KR法)を立案した。実際に光学的に純粋なイブプロフェンをラセミイブプロフェンから収率良く調製し、本法の有効性の立証に成功した。すなわち、DKR/KR法を用いることにより、ラセミ体のNSAIDsを最大限の効率で一方のエナンチオマーへ偏らせ、目的とする(S)型化合物を大量に生産することが可能となった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
東京理科大学研究成果報告会(記者会見)の公開動画
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[Journal Article] A Novel Tamoxifen Derivative, Ridaifen-F, Is a Nonpeptidic Small-molecule Proteasome Inhibitor2014
Author(s)
Makoto Hasegawa, Yukari Yasuda, Makoto Tanaka, Kenya Nakata, Eri Umeda, Yanwen Wang, Chihiro Watanabe, Shoko Uetake,Tatsuki Kunoh, Masafumi Shionyu, Ryuzo Sasaki, Isamu Shiina, Tamio Mizukami
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Journal Title
European Journal of Medicinal Chemistry
Volume: 71
Pages: 290-305
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] M-COPA, a Golgi Disruptor, Inhibits Cell Surface Expression of MET Protein and Exhibits Antitumor Activity Against MET-addicted Cancers2014
Author(s)
Yoshimi Ohashi, Mutsumi Okamura, Asaka Hirosawa, Akinobu Akatsuka, Isamu Shiina, Kentarou Yoshimatsu, Takao Yamori, Shingo Dan
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Journal Title
European Journal of Cancer
Volume: 50, Supplement 6
Pages: 185-186
DOI
Peer Reviewed
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