2013 Fiscal Year Annual Research Report
キラルな環状π電子共役系の創製を指向した付加環化反応の新展開
Project/Area Number |
22350046
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柴田 高範 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80265735)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 共役系 / 不斉 / 環状化合物 / 触媒 / 機能性物質 |
Research Abstract |
(1) 環状ヘテロポリアリレン類の合成:ビス、さらにはテルチオフェン架橋トリインの分子間・分子内の連続反応により、ベンゼンならびにチオフェン環6個から12個から構成される大環状化合物のワンポット合成に成功した。今回それらの基礎的な光物性を測定した結果、二量体、三量体いずれの場合も、芳香環の数が増加し、共役系が伸長するとともに吸収スペクトルはレッドシフトし、また環構造由来の歪みのため、大きなStokesシフトを示した。 (2) 含窒素らせん不斉化合物の不斉合成:ヨウ素試薬による酸化的環化を鍵反応として、複数の窒素原子を含むらせん不斉を有する縮合多環化合物を合成した。この化合物をキラルカラムを用いたHPLCにより光学分割し光学活性化合物を分取し、UV、CD等の光基礎物性を測定した。さらに、キラルヨウ素試剤を用いることにより、低エナンチオ選択性ながら、酸化的不斉環化反応を達成した。 (3) [2+2+2]付加環化反応により含硫黄縮合多環化合物の効率合成:ベンゾチオフェンジオキシドの五員環の二重結合部位をC2ユニットとして用いると、ジインとの分子間 [2+2+2]付加環化反応が進行し、引き続く酸化により、チオフェンジオキシド部分を含む縮合多環芳香族化合物が得られた。還元により、チオフェン骨格へ容易に変換できることから、本法はジベンゾチオフェン誘導体の簡便合成法になり得る。さらに、長鎖のアルキル基を導入したベンゾジチオフェンテトラオキシドを用い、フェニレン架橋、さらにはナフチレン架橋の1,7-ジインと反応させると、連続反応により9、11個の環が縮合した多環化合物がワンポットで合成できた。今後、生成物の酸化による芳香化 、さらには還元によりチオフェン環への誘導を行い、生成物の光基礎物性を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)