2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22350047
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中野 環 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (40227856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 猛 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (80515130)
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Keywords | らせん / コンホメーション / キラリティー / 不斉重合 / 光化学 / 励起状態 |
Research Abstract |
光刺激による高分子のコンホメーション制御と物性制御を実現する目的で、前年度に引き続き、ランダムコイル-ヘリックス転移を実現できる高分子の構造を研究した。代表者らの従来の研究成果から、光照射によるビフェニル基のねじれ-平面転移を起こす構造を主鎖内に含むポリ(9,9-ジオクチルフルオレン-2,7-ジイル)(PDOF)が円偏光により光学活性化すること見出しており、この現象に対する高分子の分子量の影響を調べた。この目的で2,7-ジブロモ-9,9-ジオクチルフルオレンを原料とし、Niを触媒に用いるYamamoto重合法を行った。得られたポリマーの分子量をSECによりポリスチレン換算で見積もった結果、分子量が5,000程度から90,000程度のポリマーが得られたことが分かった。これらを用いて円偏光を照射する実験を行ったところ、溶液中では不斉誘起が全く起こらなかった一方で、ポリマー溶液のキャストフィルム(薄膜)に対する円偏光照射によって不斉誘起が起こることが分かった。分子量の効果について調査した結果、10,000程度以下のポリマーについては光学活性化が難しく、10,000程度から90,000程度の分子量では光学活性化が進行することが明らかになった。 加えて、分子量10,000程度以上のポリマーについては吸収スペクトルにおいて400-440nm程度の領域にβ相に基づく吸収帯が観測され、β相の割合が多いほど効率よく光学活性化が進行することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PDOFに対するキラル誘起の機構についての知見が得られ、効率良くキラル誘起できる条件がある程度明らかになりつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
キラル誘起におけるα相とβ相の役割について明らかにするため、円偏光照射において波長を選んで励起し、両相に対するキラル誘起挙動の違いを調べる。加えて、理論的な手法によりキラル誘起のメカニズムについての知見を得る。さらに、PDOF以外の主鎖共役系高分子について光によるキラル誘起を実現する。
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Research Products
(19 results)
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[Patent(Industrial Property Rights)] 有機半導体化合物2011
Inventor(s)
中野 環、坂本 猛、東村 秀之、田中 健太
Industrial Property Rights Holder
中野 環、坂本 猛、東村 秀之、田中 健太
Industrial Property Rights Type
特許
Industrial Property Number
PCT/JP2011/069132
Filing Date
2011-08-25
Overseas
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