2012 Fiscal Year Annual Research Report
サーモトロピック液晶とリオトロピック液晶の統一的理解に向けて
Project/Area Number |
22350056
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
齋藤 一弥 筑波大学, 数理物質系, 教授 (30195979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 泰久 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (80303337)
菱田 真史 筑波大学, 数理物質系, 助教 (70519058)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | サーモトロピック液晶 / リオトロピック液晶 / 擬二成分描像 / E相 / 脂質-水系 / 水和 |
Research Abstract |
脂質ー水系:POPC, POPEと水の系におけるラメラ相-逆ヘキサゴナル相転移の塩添加効果の検討を通じ,水和状態の影響,すなわち水の状態の重要性を明らかにした(投稿中). サーモトロピック液晶-アルカン系:液晶相としてN相のみを発現しSmA相を発現しない5CBにn-オクタンを混合した系において誘起した層状中間相における分子運動を誘電分散測定により解明した.国際学会で結果を発表すると共に,論文として発表する準備を進めている. CrE相(SmE相):結晶に最も近い液晶性中間相であるSmE相を示すnPAについて,SmE相においてすでにアルキル鎖が等方性液体同様,融けた状態にあることを構造解析,DSCおよび赤外スペクトルを用いて明らかにした(近日中に投稿予定).また,昨年,見出したアルカン膨潤SmE相の発現についての論文原稿を準備中である.さらにこれをふまえ,配向試料についての回折実験により高次反射を得て,解析のための理論的検討も含め詳細な検討を進め,nTCBのSmE相の構造が従来考えられていたものとは異なるミクロ相分離構造をもつことを明らかにした.論文としての公表を準備している. 統一描像の深化:提唱してきた擬二成分描像は,当初,サーモトロピック液晶における分子間相互作用エネルギーの重要性を示すものとも思われたが,本研究課題の一環として遂行した,SmA相の誘起やSmE相のミクロ相分離構造の解明を通して,分子コアとアルキル鎖の運動性の違いに基づく,エントロピー支配による液晶構造形成が明らかとなった.これにより,擬二成分描像ならびに統一描像において重要な「成分」であるアルキル鎖の機能をより深く理解することとなった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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