2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子自己集合に基づくキャビタンドカプセルの機能創発
Project/Area Number |
22350060
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小林 健二 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (40225503)
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Keywords | 超分子化学 / 分子自己集合 / カプセル / 包接 / ポリマー |
Research Abstract |
申請者が見出した分子自己集合に基づくキャビタンドカプセルを基盤に「分子集合キャビタンドカプセルだからこそできる機能創発」を提示し、超分子化学と機能物質化学の探求を行った。 [1] 水素結合に基づくヘテロカプセルの超分子ポリマーへの展開 超分子カプセルポリマーを構築するにあたり、ダンベル型ホスト(スペーサーの両端に水素結合性キャビタンドを有するモノマー)を合成する必要がある。初年度は、スペーサーに結合させるために必要なキャビタンド側鎖を官能基化した水素結合性テトラピリジルキャビタンドとテトラフェノールキャビタンドの合成を達成した。次年度は、ダンベル型ホストを完成させ、超分子カプセルポリマーを構築する実験に取り組む。 [2] 動的ホウ酸エステル結合づくキラルなキャビタンドカプセル テトラホウ酸キャビタンドと1,2-ビス(カテコール)エタンから成る動的ホウ酸エステル結合に基づくカプセルをキラル化するにあたり、光学活性なビス(カテコール)エタン誘導体を合成する必要がある。初年度は、カテコール水酸基を保護した光学活性な1,2-ビス(カテコール)-1,2-ジアルコキシエタンの合成を達成した。次年度は、キラルカプセルを構築する実験に取り組む。 [3] 動的ホウ酸エステル結合キゃビタンドカプセルのナノ保護容器としての展開 上記2のカプセルはアントラセン誘導体を包接し、本カプセルは包接アントラセンの光増感剤になること、本ゲスト包接カプセルは長時間光照射によっても殆ど光酸化等を受けず発光特性を維持することを見出した。アントラセン単独では、光二量化と光酸化を受けて発光特性を失う。
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