2012 Fiscal Year Annual Research Report
環境計測用マイクロガスセンサの構築に向けた新しい材料設計
Project/Area Number |
22350064
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島ノ江 憲剛 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (10274531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 雅賀 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (50404075)
木田 徹也 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (70363421)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ガスセンサ / 半導体 / 環境ガス / 設計 / マイクロ素子 / 酸化スズ / 酸化タングステン / マスキング |
Research Abstract |
本研究では、大気環境を計測可能な革新的なマイクロガスセンサを創製するために、半導体ガスセンサの超高感度化についての新規な設計法を提案し、これを理論的かつ実験的に検証し、応用展開することを目的としている。平成24年では、昨年度確立した酸化スズ半導体における設計指針をラメラ状酸化タングステン半導体に適用するとともに、Sbドーピング酸化スズ、Pd担持酸化スズ、Feイオンマスキング酸化スズについて、酸素吸着および水蒸気の影響などについて検討した。 ラメラ状酸化タングステン半導体では、ナノ粒子化したパラジウムの担持により、可燃性ガス検知特性が著しく向上することを確認した。その検知メカニズムとして、乾燥雰囲気では酸素分子が負電荷吸着することが、水蒸気雰囲気では酸素イオンとして吸着することが、酸素分圧と電気抵抗の関係から推測され、これまで提案されてきた検知機構と異なることが明らかになった。 Sbドーピング酸化スズでは、酸素吸着が水蒸気によって妨害されるものの、高温では水蒸気の影響がまったく生じない、安定した可燃性ガス検知特性が得られた。また、Pd担持を行うと、酸素吸着特性が酸化スズ単独と比べ、全く異なる傾向を示した。この特異な酸素吸着特性がセンサの高性能化に結び付くと考えられ、今後の詳細な検討が必要である。 Feマスキング酸化スズでは、Feをマスキングすることで酸素吸着状態が大きく変化し、水蒸気の影響も大きく減少することを確認した。これは、軽水と重水を用いたDRIFT測定から、マスキングしたFeに水分子が吸着し、酸素吸着サイトのSnへの水蒸気吸着が抑制されるためと推測された。 マイクロセンサ作製では、シリコン酸化膜とセンサ材料との接合状態がセンサ特性に影響を及ぼすことを明らかにし、接合状態を改良した新しいMEMS構造を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(25 results)