2010 Fiscal Year Annual Research Report
安定同位体標識法による生分解性プラスチック分解菌の環境動態解析
Project/Area Number |
22350067
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中島 敏明 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (80241777)
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Keywords | 生分解性プラスチック / 安定同位体標識法 / モノマーリサイクル |
Research Abstract |
これまでに、培養法による生分解性プラスチックの分解菌の単離や分解に関与する微生物群集構造の知見が得られてきた。しかし、培養法は自然界に生息する微生物のうち99%に上るといわれる培養困難な状態の微生物を含めないため、自然環境中で実際に作用し、生分解性プラスチック分解に寄与している微生物は未解明であると言える。また、メタゲノム法は環境中の全DNAを対象に解析を行うため、分解に関与する微生物のみに焦点を当てた解析を行うことは困難であった。そこで本研究では^<13>Cでラベルをしたプラスチックを用いることにより、分解菌のDNAのみを選択的に抽出、解析し、環境中での分解菌の動態を解析することを目的とした。 本研究では生プラの中でも特にPHBを用いて実験を行った。まず、^<13>C-PHBを用いる実験を効率的に行うために、^<12>C-PHBを用いての予備検討を行った。フィルムを土壌に埋設し、10週間微生物叢の変化を調べたところ、^<12>C-PHBフィルム上の微生物叢は埋設1週目から土壌とは異なった、特異的な微生物叢を示した。この微生物叢は埋設3週間目を境に大きく変化し、埋設10週目まで変化しなかった。この結果より、^<13>C-PHBを用いた実験では、PHB分解菌付着初期、微生物叢変換期、安定期を解析するために、フィルムのサンプリング期間を7週間と決定した。 次に、^<13>C-PHBフィルムを土壌に埋設し、PHB分解菌に焦点を当てた解析を行った。^<13>C-PHBフィルムより経時的に回収したDNAを塩化セシウム密度勾配遠心に供し、^<13>C-DNAのみを選択的に回収した。その結果、^<13>C-PHB由来DNAはほぼ^<13>C-DNAで構成されていることが明らかとなった。このことより、PHBフィルム表面に存在する微生物のほとんどがPHBを資化していることが示された。
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Research Products
(2 results)