2012 Fiscal Year Annual Research Report
ハロゲン系有機化合物の高感度分析と曝露評価、生成メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
22350070
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
雨谷 敬史 静岡県立大学, 環境科学研究所, 准教授 (10244534)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 有害化学物質 / 環境分析 / 廃棄物処理 / クロマトグラフィー / 加熱脱着 |
Research Abstract |
本研究は、ハロゲン化多環芳香族炭化水素を含むハロゲン化有機化合物の高感度分析システムを開発し、個人曝露評価に応用しうるものとすること、ハロゲン化多環芳香族炭化水素の生成メカニズムを解明するために、電気炉中で含ハロゲンプラスチックを燃焼させ、その生成物の解析を行うことを目的とした。このために、負化学イオン化ガスクロマトグラフ/質量分析計と、加熱脱着法を組み合わせた手法を開発した。まず、ハロゲン化多環芳香族炭化水素を対象として、本法を適用したところ、化合物によって異なるが、特に環境中の濃度が高い6-クロロベンゾ[a]ピレンについては、妨害物質の影響を受けずに分析しうることを認めた。この化合物は、ベンゾ[a]ピレンと同様の強度で変異原性等を有することが報告されている物質である。この分析法の正確さを確認するために、ハイボリュームエアーサンプラーで捕集した大気浮遊粉じんサンプルを用いて、従来から行われているソックスレー抽出法を用いて抽出した結果と比較したところ、非常に良く一致した。 本法による検出下限値は0.55pgで、流量毎分3Lのサンプラーを用い、24時間捕集したときの検出下限値は0.13pg/m3となる。これは、現在の6-クロロベンゾ[a]ピレンの空気中濃度約10pg/m3を考えると、十分実用性を持った感度であると考えられる。 ポリ塩化ビニルと、ポリ塩化ビニリデンを燃焼炉中で500度と800度で燃焼させ、生成物を解析した。この結果、滞留時間2秒では、4環、5環のハロゲン化多環芳香族炭化水素の発生は認められなかったが、ナフタレン、フェナントレン、ピレンのハロゲン化合物の発生が認められ、環化時にすでに骨格に塩素がついていたものと、環化後に塩素が置換したと思われる化合物が認められたが、前者の寄与が大きいと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)