2011 Fiscal Year Annual Research Report
フォトン・フォトキャリア直交型マルチストライプ半導体光電変換素子の研究
Project/Area Number |
22350077
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石橋 晃 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30360944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 憲治 北海道大学, 電子科学研究所, 講師 (50360946)
海住 英生 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (70396323)
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Keywords | 有機半導体デバイス / 無機薄膜半導体デバイス / 有機・無機ハイブリッドデバイス / 微粒子半導体デバイス / 第3世代太陽電池 / アモルファス半導体デバイス / 汎用高清浄環境 |
Research Abstract |
従来素子では、太陽光の入射方向と生成したフォトキャリアの移動方向が平行である為、光吸収とフォトキャリアの収集の同時最適化が難しかったが、太陽光の進行方向とキャリアの移動方向を直交させる事で、これを解決する道筋を示した。特に、バンドギャップを最適化したマルチストライプのフォトン-キャリア直交型光電変換素子では、太陽光スペクトル全体に亘る光電変換が可能で、高い変換効率が得られると期待される。バルクSi太陽電池、薄膜半導体太陽電池の次として期待される第3世代の高光電変換効率を持つ本太陽電池の重要性は大きい。電極の要素技術として極めて平坦な金属薄膜をフレキシブルな樹脂基板上に形成する技術を進化させた。また、初年度に得られた有機バルクヘテロ接合太陽電池の開放端電圧の起源解析もベースにしつつ、更に太陽光スペクトルを広く覆うための素材として、アモルファス半導体材料に対して光照射条件を変えて構造変化させることの可能性を示した。異なるバンドギャップを有する半導体層を形成する左記成功を踏まえ、a-Siを用いた太陽電池の試作を行い、ストライプの一つとして用い得るとの結果を得た。また、n型Siを出発物質として、これにGeやCを拡散するシステムを構築するとともに、SiGe層が形成されていることを確認し、Siよりナローギャップの半導体を得ることに成功した。以上により、マルチストライプのフォトン-キャリア直交型光電変換素子のボトムラインを確立できた。現在、さらにCを拡散することも進めており、高い変換効率が可能な上記マルチストライプ構造が作製できると期待される。また、上記新構造半導体を作製するための高清浄環境としてクリーンユニットシステムプラットフォーム(CUSP)を進展させ、太陽電池作製のみならず科学・医療技術者の安全を守ることの出来る汎用的なシステムへと発展させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プレーナー構造でマルチギャップの半導体ストライプを作製することに成功した。また、これにpドーパントを拡散することで、プレリミナリーながら、太陽電池動作を確認することができた。また、フォトン・フォトキャリア直交型太陽電池を最も効率的に利用できるシステムのアイデアを見出し、近い将来の実用化に向けての展望が開けつつある。また、本マルチストライプ フォトン・フォトキャリア直交系の特徴が明らかになりつつあり、劣化の少ないアモルファス半導体太陽電池や有機薄膜太陽電池に応用できる可能性が見えてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
拡散条件を最適化することにより、バンドギャップの異なる複数の半導体ストライプからなる太陽電池の各部分毎の効率の向上を図る。またこのプレーナー構造に沿って光をワイドギャップの半導体層側から、ナローギャップの半導体層へと導入する導波構造と結合することで、フォトン・フォトキャリア直交型太陽電池の有効性の実証を図る。また、長寿命化への指針の原理確認も同時に進展させる。
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Research Products
(15 results)