2012 Fiscal Year Annual Research Report
無秩序液晶相の構造解明と電界誘起無秩序ー秩序転移を用いた表示媒体の開発
Project/Area Number |
22350078
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
吉澤 篤 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (30322928)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 液晶 / ブルー相 / キラリティー / ディスプレイ / 電気光学効果 / 階層構造 |
Research Abstract |
ブルー相は光学的に等方な液晶相で配向処理が不要となることから、次世代ディスプレイとして注目されている。しかし、駆動電圧が高い、電圧―透過率曲線においてヒステリシスを生ずる等、課題が残されている。本研究ではブルー相の中でもアモルファス秩序を持つBPIIIに着目して駆動電圧の低下(30V以下)を目指した。 1. 駆動電圧低下:シアノビフェニル系ネマチック液晶に種々の添加剤を加え、それぞれにキラル化合物を混合してブルー相とし、その電気光学効果を測定した。その結果、2-fluoro-1-cyanophenyl 4-pentyloxybenzoateを添加した場合、BPIII(26℃)でしきい電界(透過率10%)が2.1V/ミクロン、飽和電界が3.3V/ミクロンとなり、ヒステリシスも生じなかった。駆動電圧の低下は、この化合物の添加により組成物の誘電異方性が大きくなったことによると考えられる。電極間距離を5ミクロンにすると飽和電圧は16.5Vとなり、実用レベルである。しかし、応答時間が秒単位と著しく遅くなった。 2. 棒状化合物によるブルー相発現:ブルー相を発現する化合物は棒状から離れた化合物が多く、ディスプレイ用材料としては粘性が高くなり、好ましくない。一方、ブルー相発現に分子二軸性が重要でることがわかった。その知見をもとに棒状化合物に末端が枝分かれしたアルキル鎖を導入した化合物を合成し、そこにキラル化合物(10wt%)を加えてブルー相安定化に及ぼす影響を調べた。ジフルオロターフェニル基およびシアノビフェニル基についていずれも分枝側鎖ではブルー相を発現したが、対応する直鎖ではブルー相を示さなかった。この手法は棒状化合物からなる液晶組成物を用いてブルー相を発現させることを可能にし、実用的ブルー相液晶材料の有用な設計指針となる、
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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