2010 Fiscal Year Annual Research Report
光変換前駆体法を利用したバルクヘテロ層の薄膜構造制御と機能との相関の解明
Project/Area Number |
22350083
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
山田 容子 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授 (20372724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 健一 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (20324808)
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Keywords | 有機半導体 / ペンタセン / 有機薄膜太陽電池 / バルクヘテロ / 有機デバイス / 有機化学 |
Research Abstract |
本研究は有機薄膜太陽電池に代表されるバルクヘテロ型有機薄膜層の層分離構造と機能との相関の解明を目的とする。初年度である平成22年度は、(1)ペンタセンジケトンを用いたペンタセンの導電性薄膜の構造と機能の相関の解明;(2)薄膜構造への構造異性体や置換基効果の検討;(3)n型半導体を含む新規のアセンジケトン化合物の開発と有機半導体への変換;(4)高分子に組み込まれたアセンジケトンの光反応を利用した薄膜構造制御;に関して重点的に研究を行った。 (1)に関しては、有機FETを指標として、再現性の高い有機デバイス作製の確立を行った。特に、溶液塗布に用いる溶媒とアニーリング温度の最適化、酸素の影響について詳細に検討を行い、高い歩留まりでデバイスを作製する手法を確立した。(2)に関しては、ペンタセンジケトンのジケトン連結部位が異なる位置異性体に関して詳細に検討を行ったところ、ジケトンの結合部位が異なるだけで、前駆体の結晶性すなわち溶解度が大きく異なり、成膜性に大きく影響することが明らかとなった。(3)に関しては、6,13位ジシアノペンタセンを初めて合成し、その半導体特性を詳細に検討したいところ、アンビポーラー特性を示すことがあきらかとなった。(4)に関しては、様々な重合方法を検討したが、前駆体を重合するだけで溶解度が大きく下がり、オリゴマーの段階で沈殿してしまい,また高分子の組成等を詳細に検討するには至らなかった。 以上の結果より、初年度の結果としては、ジケトン前駆体を用いた光変換による有機半導体薄膜作成法の確立、構造と成膜性の相関、新規有機半導体の合成に成功した。
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Research Products
(13 results)