2010 Fiscal Year Annual Research Report
動的共有結合化学システムによる環状化合物の合成とそれらのレジスト材料への応用
Project/Area Number |
22350088
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
工藤 宏人 神奈川大学, 工学部, 准教授 (30343635)
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Keywords | レジスト / ノーリア / 動的共有結合化学 / 電子線 / 極端紫外線 / 環状オリゴマー / 光機能性材料 / 化学増幅型レジスト |
Research Abstract |
特殊構造体(noria、カリックスアレーン三量体、カリックスアレーン二量体、ダブルカリックスアレーン)に、光脱保護反応性基として、アダマンチルエステル基、シクロヘキシルアセタール基、およびアダマンチルアセタール基を導入し、それらの物理特性、光反応特性、電子線および極端紫外線レジスト特性について検討した。その結果、いずれの誘導体においても、溶解性、製膜性、耐熱性に優れ、また、すぐれた光反応性を示すことが判明した。さらに、レジストパターン特性を極端紫外(EUV)線を用いて評価した。その結果、ダブルカリックスアレーン誘導体ではパターンニング特性は得られなかったが、他の誘導体では、22~26nmの解像性を示した。カリックスアレーン二量体誘導体においては、良好な感度が得られず、26nm以上の解像性は認められなかった。さらに、noriaとカリックスアレーン三量体の誘導体においては、高感度を示すことが判明し、22nmまでの高解像性を示すことが判明した。このことは、分子内に大きな空孔を有することで、高解像性を示したと考えられる。さらに、導入率と感度の関係について詳細に検討した結果、導入率がより低い方が高感度化を示すことが判明した。以上のように、分子レジスト材料の高解像性を目的とした分子設計の指針として、分子内により大きな空孔を有し、光脱保護基の導入率をより低下させることが有効であることが判明した。
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