2011 Fiscal Year Annual Research Report
動的共有結合化学システムによる環状化合物の合成とそれらのレジスト材料への応用
Project/Area Number |
22350088
|
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
工藤 宏人 神奈川大学, 工学部, 准教授 (30343635)
|
Keywords | レジスト / ノーリア / 動的共有結合化学 / 電子線 / 極端紫外線 / 環状オリゴマー / 光機能性材料 / 化学増幅型レジスト |
Research Abstract |
光脱保護反応性基として、アダマンチルエステル基、シクロヘキシルアセタール基、およびアダマンチルアセタール残基を有する、環状オリゴマー類を合成し、高解像性レジスト材料への応用を目的として、それらの物理的特性(溶解性、成膜性、耐熱性)や光反応性について詳細に検討した。光脱保護基の導入率を変化させると物理的特性と光反応性が変化することを明らかにした。次に、極端紫外線レジスト材料としての感度曲線を測定した結果、空孔が大きく、光反応性基の導入率が少ない方が優れた感度を示すことが判明し、レジストの解像性能は環状オリゴマー類の骨格に大きく依存することが明らかとなった。次に、極端紫外線露光装置を用いて、レジストパターンニング特性について評価したところ、ダブルカリックスアレーン、トリプルカリックスアレーン、あるいはカリックスアレーンダイマーは20nm以下の高解像性は見いだせなかったが、noria、アルコシ残基を有するnoria(noria-OMe)およびpillar[5]arene誘導体は、15~20nmの解像性能を有することが判明した。さらに、noriaやpillar[5]areneより、noria-OMeの方が高感度を示し、高解像性を示した。これらの結果より、高解像性レジストパターン特性は、大きな空孔を有し、光反応性基の導入率を低くし、さらにはその分子骨格を小さくすれば、高解像性が得られると推察した。本年度は、15nmの解像性レジスト材料の開発をターゲットにし、アダマンチルエステル残基を有するnoria-OMeや、pillar[5]arene誘導体類を基盤としたレジスト材料の開発を遂行する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、様々な環状オリゴマーを基盤とした高解像性レジスト特性について評価、検討することを遂行した。その結果、当初の目的であった、20nm以下の高解像度のレジストパターン性能を見出すことに成功し、さらに15nm以下の高解像度を達成可能であることも明らかにするこに成功した。また、目標を達成するための新たな分子設計指針の確立に成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度までの、研究結果により、極端紫外線用レジスト材料として、分子設計指針が確立された。すなわち、より高解像性レジスト材料としては、大きな空孔を有する環状オリゴマーであることが有用であると現在のところ確信している。本年度は、これまで合成した環状オリゴマー類の中から、より高解像性レジストパターン性能が期待される分子を合成し、15nm以下の高解像性を目指す。
|