2011 Fiscal Year Annual Research Report
水溶液系を用いた新規な高エネルギー密度リチウムー空気電池システムの構築
Project/Area Number |
22350091
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
武田 保雄 三重大学, 事務局, 理事 (60093051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 敦 三重大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60324547)
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Keywords | リチウムー空気二次電池 / 耐水性リチウム金属負極 / ガーネット型リチウムイオン導電体 / ナシコン型リチウムイオン導電体 |
Research Abstract |
本研究は、高いエネルギー密度が期待できるリチウム/空気二次電池の開発を進めるために、高い充放電効率が期待できる水系電解質の利用の可能性を探求することを目的とした。水を電解質の用いるには、水に安定なリチウム金属負極の開発が必須で、リチウム保護層として、水に安定な、高いリチウムイオン導電性電解質を開発し、かつその薄膜化をはかる必要がある。水系電解質の反応生成物は、LiOHで、放電に伴い、電解液のpHが上昇するので、アルカリ水溶液に安定な電解質の開発も肝要である。これまでに、報告されている水に安定で高いリチウムイオン導電率を示すNASICON型リチウムイオン導電性固体電解質(Li_<1-x>Ti_<2-x>Al_x(PO_4)_2は、アルカリ性で分解するのでその安定化をはかるため電解液の見直しを行った。また上記電解質はリチウム金属に対して不安定なため、新規のリチウム導電性の開発し、実現可能なリチウム空気二次電池を目指す事を目指した。 1.上記Li_<1-x>Ti_<2-x>Al_x(PO_4)_2は水に安定であるが、アルカリ溶液中では分解する。空気極ではLioHが生成し水溶液のpHは上昇する。そのコントロールを緩衝溶液を導入することで解決した。 2.上記Li_<1-x>Ti_<2-x>Al_x(PO_4)_2とLi極の中間にポリマー電解質を挿入するが、リチウムデンドライトの生成が問題となる。種々の添加剤を検討して、その生成抑制を実現した。 3.ガーネット型リチウムイオン導電体、Li_7La_3Zr_2O_<12>は優れた導電性を示すが合成が大変難しい。その合成法を検討し純粋な試料を合成することに成功した。Li極との綿密な安定性の検討を行い、長期の安定性を確認した。現在、大型のシート焼結体作成に着手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水系電解液のリチウム空気二次電池実現のためのハードルとして、1.水に安定なリチウム極の実現、2.高い電流密度の実現、3.空気極のサイクル性、4.機械的充電が可能かどうかが挙げられるが、1に関しては達成、2、3に関しても進展が見られる。4に関しては、まだ実効的な結果に達していないが、進展はしている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.ガーネット型負極の性能向上に注力する。導電率も高いので高電流密度が期待できる。 2.リチウムデンドライト生成の抑制方法の検討をさらに進める。 3.空気極の触媒探索をさらに進めるとともに、最適な電極組織の構成を検討する。 4.電解液循環システムの最適化をはかる。とくにイオン分離膜の最適化を進める。
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Research Products
(15 results)