2011 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学ツールによるシリコンのナノ・マイクロ構造微細加工
Project/Area Number |
22350092
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
尾形 幸生 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (30152375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作花 哲夫 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (10196206)
深見 一弘 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (60452322)
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Keywords | 多孔質シリコン / 微細孔形成 / 多層膜 / 陽極酸化 |
Research Abstract |
電気化学手法を多孔質シリコンの微細構造形成ツールとして一般化するために、マクロ孔形成時の不均一孔形成における溶液中成分の影響と、ルゲート型多孔層積層構造における構造制御による光学特性の安定化について、現象の把握と解析モデルの開発に取り組んだ。 【配列マクロ孔形成条件の把握と最適化】 配列マクロ孔形成において、また、溶液種に含まれるアルコールについては、これまで、溶液の表面エネルギーを下げて陽極酸化時における水素気泡発生による表面や孔閉塞を防ぐという物理作用を担うものと考えられてきた。本年度行った研究において、溶液中に存在するアルコールはシリコンの溶解、孔形成挙動に直接関係することを見いだした。また、アルコールの炭素数が低いほど、安定な孔形成を阻害することが分かった。その作用機構については今後の課題となる。 孔形成をモデル化するために、界面成長を記述する結合写像格子モデルにより、プリエッチピット配列からのシリコンの陽極溶解挙動の解析に前年度に引き続いて取り組んだ。シリコン内の電位分布を考慮したモデルにより多孔質シリコンで見られる孔深さ方向における孔径の均一性を模擬することができた。しかし、実験的に得られる挙動を模擬するには至っておらず、さらに解析法の改良を図っている。 【積層構造形成条件の把握と最適化】 多孔度を正弦波変調したルゲート型多孔質シリコンにおいて、二層積層構造での反射スペクトル特性の向上を図るために、相関に整合層を導入することによって、反射スペクトル中に現れる干渉によるフリンジを大幅に低減することが可能となった。また、ガウス関数でアポダイゼーションを掛けて反射スペクトルの向上を図ったが、可視光領域での強い吸収のために期待する結果が得られなかった。電気化学手法を用いると、これらの複雑な構造制御が電流を制御することによって容易に実現することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マクロ孔生成については、これまでに注目されていなかった溶液中の有機溶媒の寄与が大きいことを見いだし、安定なマクロ孔生成には炭素数の大きいアルコールの存在が有効であることを発見している。多重型積層構造をもつ多孔質シリコンの構造制御による光学特性の最適化に成功している。一方、孔構造形成過程のモデル化においては、当初の予想以上に難しい課題であることが明らかになり、一層の努力が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
メソ孔をもつ多孔質シリコンからなる積層ルゲート構造について、作製時の最適化はほぼ終えたので、光学センサーへの応用時に避けることができない積層構造の化学安定性に取り組む。配列マクロ孔形成時の構造安定性に対して溶液中に含まれるアルコール等の有機溶媒の効果が大きいことが判明し、こちらが安定多孔質構造の作製に重要であることを認識した。そのために、当初取り上げる予定であったマスクパターン下部での形状追従性について保留とし、有機溶媒の効果をミクロ・メソ孔からなる多孔質シリコンでも検討することを優先する。孔形成過程のシミュレーションは重要課題であるが、問題点が多くはかどっていない。糸口を見いだせるように最大限努力する。
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Research Products
(12 results)