2011 Fiscal Year Annual Research Report
繊維配向とゲル化反応のカップリングによる強化ソフト&ウェット材料の創製
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22350097
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
古川 英光 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50282827)
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Keywords | ゲル / 配向構造 / 強化材料 / 力学物性 / 構造解析 |
Research Abstract |
平成23年度は、主にテーマ「(II)強化ゲルの構造と機能」に関して下記を実施した。 1)多種の繊維/ゲルへの展開-多糖を使った新規DNゲルの開発 工業材料としての応用を重視し、液晶性多糖であるヒドロキシプロピルセルロースを用いた相互架橋網目ゲル(ICNゲル)の開発に成功した。また、工業材料としての応用範囲を広げるため、有機溶媒として炭酸プロピレンを用いてオルガノDNゲルを開発した。 2)工業化技術の開発(微粒子DNゲルの自由造形) DNゲルを工業材料として応用するにあたって、1st網目を予めゲル微粒子にすることにより、より簡便にDNゲルを合成するParticle-DNゲルの合成技術を確立した。 3)配向によるゲルの強化機構の解明 申請者が独自に開発した走査型顕微光散乱(SMILS)はゲルの内部構造の測定に特化した構造解析装置を発展させ大変形下でのその場観察が可能なSMILS-MEを試作した。 4)配向ゲルの加工強化技術の研究 形状記憶ゲルの研究を進め繊維強化が可能であることを見出した。また、透明性を持つ形状記憶ゲルの開発に成功した。これらの形状記憶ゲルは大変形に対して塑性を示すが、加熱と冷却により、力学物性が回復する性質をもつことを確認した。 5)配向ゲルの電気物性の研究 工業材料への応用可能性を検討した。本研究で開発したDNゲルが電場印加により屈曲することを確認した。また本研究で開発したオルガノゲルの伝導率を測定し、イオン伝導を確認した。 これらの成果に基づき、次年度はアクチュエータ、光学素子、電池用マトリクスへの応用や、自由成型の可能性の検討につなげる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿って遅滞無く研究を遂行し、新たな現象発見や技術開発に成功した。具体的には、新たなゲル強化法として相互架橋網目ゲル(ICNゲル)の開発に成功した。また、形状記憶ゲルの繊維強化が可能なこと、透明な形状記憶ゲルを合成できることなどを新たに発見した。これらの成果を論文に発表し、一部は特許申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って遅滞無く研究を遂行していることから、平成24年度についても当初の計画に沿って研究を進める予定である。
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