2012 Fiscal Year Annual Research Report
イオウ吸収端での異常小角X線散乱によるゴム中のイオウ分散状態の解析
Project/Area Number |
22350098
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
雨宮 慶幸 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (70151131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 佑也 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教 (60451861)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 異常小角X線散乱 / ゴム |
Research Abstract |
本研究はイオウK吸収端における異常小角X線散乱法の確立およびそのゴム材料への応用を目的として実施してきた。異常小角X線散乱法は着目したの元素の吸収端近傍の複数のエネルギーで小角X線散乱実験を実施し、散乱強度曲線のエネルギー依存性を解析することで、着目した元素に起因した構造情報を特異的に抽出する実験手法である。したがって散乱強度曲線を高精度・高確度で測定する必要がある。また、本研究で対象としたイオウの吸収端は、従来は散乱実験も分光実験も実施例が極めて少ないエネルギー領域であり、開発要素の多い実験手法である。本年度は自動試料走査ステージの導入や、測定手順・解析手法の最適化を実施し、ゴム中でのイオウ分散状態に起因した散乱強度曲線を高精度・高確度で測定することに成功した。本実験手法の応用例はゴムだけに限らず、イオウを含む多様なソフトマター材料への展開が可能であり、本研究課題にて実験手法が確立したことの意義は高い。また、同様のエネルギー領域に吸収端を有するリンなどを含む試料への応用展開も考えられる。 本手法をイオウが分散したスチレンブタジエンゴムに応用し、ゴム中でのイオウの分散状態の解析を実施した。その結果、100 nm 程度の大きさの領域において、イオウの分散状態とゴムそのものの不均一構造とが対応することが明らかになった。これらの情報は既存の測定手法では得ることの困難なものであり、本手法の有用性を示している。また、本構造情報はゴムのミクロな構造とマクロな物性との関連を解明する上で有益なものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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