2011 Fiscal Year Annual Research Report
ブロック共重合体のミクロ相分離を利用した金クラスターの空間制御と触媒機能
Project/Area Number |
22350105
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
吉田 博久 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (20094287)
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Keywords | 金クラスター / サイズ制御 / 配列制御 / ミクロ相分離 / ナノリアクター / X線反射率測定 / 斜入射小角散乱 |
Research Abstract |
金クラスターのサイズと二次元規則配列を実現するために、親水性ユニットにポリエチレンオキシド(PEO)、疎水性ユニットに側鎖に液晶メソゲンとしてアゾベンゼン誘導体を持つポリメタクリル酸(PMAAz)で構成された液晶型両親媒性ブロック共重合体(PEO-b-PMAAz)のミクロ相分離構造を反応場として金イオンの還元反応を行った。制限されたナノ空間への金イオンのドープ過程の解析と還元後の金クラスターの空間制御の要因を明らかにするために、X線反射率測定と斜入射X線散乱測定を行った。 金イオンドープ過程のナノシリンダーの配列の乱れを斜入射小角X線散乱を用いて評価し、金イオンのドープ過程ではPEOシリンダーの規則配列は乱れないことが明らかになった。また、金イオンのドープ量が異なるナノシリンダーのX線反射率測定で求められるX線全反射臨界角測定から表面密度を求め、ドープ量に対応していることを確認した。同じ試料を用いて原子間力顕微鏡による表面構造の測定から、シリンダーの規則配列が金イオンドープによって乱れないこと、金イオンのドープ量によって親水性シリンダーと疎水性マトリックス間の位相差が変化することを見出した。これは金イオンが反応場となるシリンダー中に均一に分布していることを示す。 X線反射率測定と斜入射小角X線散乱測定からナノシリンダーのどの位置に金イオンが存在するかを検討した。シリンダー上部に存在していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
還元反応の最適化を行う段階であったが、還元によって生成した金のサイズが約2.6ナノメートルでクラスターよりもナノ粒子であった。さらにサイズを小さくする必要がある。現在ナノリアクターに用いているミクロ相分離構造を小さくするため、組成の異なる両親媒性ブロック共重合体を合成する必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
還元後の金クラスターの単分散性を向上させるため、ミクロ相分離構造の表面層の振る舞いを明らかにする。ナノリアクターとなるPEOシリンダーの直径をさらに小さくした反応場を利用して、金クラスターの合成を行う。そのため組成の異なる両親媒性ブロック共重合体のミクロ相分離構造を利用する。
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