2012 Fiscal Year Annual Research Report
光増感剤のフラーレン包接錯体を水に可溶化する感温性ナノキャリアの開発
Project/Area Number |
22350106
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
遊佐 真一 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00301432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川瀬 毅 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10201443)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 精密ラジカル重合 / 高分子構造・物性 / ナノチューブ・フラーレン / ナノ材料 / 光物性 / 光線力学的療法 / 温度応答性 / 自己集合体 |
Research Abstract |
フラーレン(C60)は光照射による一重項酸素発生の量子収率が0.96と非常に高いため、光線力学療法(PDT)用の光増感剤としての利用が期待されているが、疎水性が高く水に不溶である。そこでC60への親和性の高いポリ(N-ビニルピロリドン)(PNVP)と感温性のポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)による二重親水性ジブロック共重合体を使用することで、C60を水に可溶化した。PNIPAMは室温で水に溶解するが、温度を上昇させると、ある温度で脱水和が起こり水に不溶となる。この温度は下限臨界溶液温度(LCST)と呼ばれている。 モノマーのNVPは非共役で、NIPAMは共役モノマーであるため通常の制御ラジカル重合法ではブロック共重合体の合成はできない。そこで本研究では、非共役および共役モノマーの両方の重合を制御可能な有機テルル化合物を使用した制御ラジカル重合法のTERPを用いることで感温性のPNIPAMとPNVPによるジブロック共重合体を合成した。重合を行う際に反応条件を調整することで、さまざまな組成のポリマーを合成した。また得られたポリマーの分子量分布は非常にせまかったので、構造の制御されたポリマーを得ることに成功した。 C60とジブロック共重合体のコンプレックスは体温付近で100 nm程度の粒径だったが、37℃より高い温度で200 nm程度に増加した。したがってコンプレックスを体内に導入した場合、患部周辺を温めることで、その周辺にC60を集積化できると期待される。 コンプレックスの水溶液に対して光を照射すると光増感剤のC60から一重項酸素を発生することを確認した。さらにこの一重項酸素はDNAを切断した。つまりこのコンプレックスは光を照射することで、その近傍に存在する細胞に損傷を負わせることが可能である。したがって、今後PDTの実用化に向けて展開できると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(96 results)
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[Presentation] Automatic ELISA analytical system for a trace amount of environmental chemicals using a 3-dimensional microreactor with a novel antigen-bound microfilter2012
Author(s)
M. Takeo, I. Kawaji, A. Nakasuji, T. Tone, Y. Ukita, D. Kato, S. Negoro, S. Yusa, M. Katayama, Y. Utsumi
Organizer
The 16th International Conference on Miniaturized Systems for Chemistry and Life Sciences
Place of Presentation
Okinawa, Japan
Year and Date
20121028-20121101
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