2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360016
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
牧村 哲也 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (80261783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 龍雄 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (90127994)
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Keywords | レーザープラズマ軟X線 / 極端紫外光 / シリコーンゴム / PDMS / ポリジメチルシロキサン / マイクロ加工 / 微細加工 |
Research Abstract |
本研究では,バイオテクノロジーへの応用のための実用的なシリコーンゴム(ポリジメチルシロキサン;PDMS)の光直接加工法の確立を目的とする.PDMSは生体適合性が高く,型に流し込んで固めることにより成形できる.この特性を利用し,バイオセンサーなどの細胞の操作や,より一般に微小化学分析器の流路の形成に有用であると期待できる.しかしながら,貫通孔のようなアスペクト比が高い構造をマイクロメートルのスケールでを作製することは困難で,作製できるデバイスの構造に大きな制限を与えている.そこで,ターゲット材料にレーザー光を集光照射することにより発生するプラズマ光(レーザープラズマ軟X線)による光直接加工法について研究した.そのために,PDMSを構成する結合を全ての化学結合を切るだけの光子エネルギーを有する軟X線源および高パワー密度で集光する光学系を開発した.これによりPDMS上での軟X線のパワー密度がある閾値以上のときには,軟X線照射により表面を削り取るアブレーション加工が可能であることを見出した.このとき,照射前と比較し組成や撥水性が変わらず加工に適した特性を有することを明らかとなった.また,アブレーションが起きるパワー密度では直径1マイクロメートルの貫通孔を8マイクロメートルのPDMSシートに作製できることを示した.より低いパワー密度では,これまでに紫外レーザーを用いた場合に報告されているように,照射箇所が盛り上がり組成がSiO2に変性することが分かった.このように,一定のパワー密度を確保することが重要であることを明かにした.以上の研究により,レーザープラズマ軟X線を用いたPDMSの微細加工法を確立できた.
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