2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360016
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
牧村 哲也 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (80261783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 龍雄 九州大学, システム情報学研究院, 教授 (90127994)
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Keywords | レーザープラズマ軟X線 / 極端紫外光 / シリコーンゴム / PDMS / ポリジメチルシロキサン / マイクロ加工 / 微細加工 |
Research Abstract |
化学的構造および物理的構造の観点から,レーザープラズマ軟X線によるポリジメチルシロキサン(PDMS)の加工特性について研究を行った.化学的構造の観点から,軟X線照射面の化学的変性を起こさないでアブレーション加工するために,Si-O結合も切断できる波長のレーザープラズマ軟x線を用いた.とくに,Nd:YAGレーザー光をTaターゲットに照射して発生した100eV前後の領域の軟X線CO2レーザー光をXe,Snターゲットに照射して発生した113eVおよび92eVの軟X線をPDMSに照射した,照射後の表面化学構造をXPSにより測定した.これにより,十分波長が短い光をアブレーション閾値以上のパワー密度で照射すると,PDMSの化学的構造が保たれたまま加工が可能であることを明らかとした.また,物理的構造の観点から,軟X線照射後の加工形状を,共焦点レーザー顕微鏡を用いて観測した.これにより,最も長い波長成分が含まれるNd:YAGレーザー光をTaターゲットに照射して発生した軟X線の場合でも,10μmの厚さのPDMSシートに直径が1μmの貫通孔を作製できることを明らかにした.さらに,PDMSの主鎖を構成するSiの2p電子を励起できる113eVの軟X線と励起できない92eVの軟X線を比較した.これにより,113eVの軟X線が優れた加工特性を有することを明らかにした,以上の研究により,従来の金型を用いる方法およびレーザー加工と比較し,化学的構造を変えずにアスペクト比が高い微細加工法を確立できたと結論できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的としたことを達成できている。独創的な装置を開発し,それを用いた研究であり,装置開発に一定の時間がかかる。そのため,計画以上に進展させることは困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在使用している炭酸ガスレーザーは,ちょうど加工閾値を超えるパワー密度を有することが明らかとなった。加工機構を明らかとする上では,より高いパワー密度の炭酸ガスレーザーが必要となる。そのため,新たに炭酸ガスレーザーを開発している。
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