2012 Fiscal Year Annual Research Report
MnーGaAs系二次元構造制御による新奇強磁性物質の創製と磁性発現機構の解明
Project/Area Number |
22360020
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中村 淳 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (50277836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 晃浩 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端フォトニクス材料ユニット・量子ナ ノ構造グループ, 主幹研究員 (30267398)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Mn原子ワイヤ / III-V族化合物半導体表面 / 初期吸着構造 / 第一原理計算 / 電子回折法 / 走査トンネル顕微鏡 / 強磁性 |
Research Abstract |
本研究は、化合物半導体であり希薄磁性半導体のホスト材料として最も注目・利用されているGaAsに、低次元のMnドープ構造を導入することにより新奇強磁性物質を創製するとともに、理論計算手法を駆使し、その強磁性発現機構解明を目論むものである。先行研究に続いてGaAs(110)表面上のMnAs単層の熱力学的安定性および磁性状態を理論的に明らかにした。3次元バルク中のMnの磁性相互作用とは異なり、GaAs(110)表面においては、GaAs(110)表面の2次元電子状態を介した、特異なMn-Mn相互作用が発現することを明らかにした。一方、実験的にはMnが1原子層以下の吸着初期過程において、様々な表面再構成構造を呈することが明らかになった。特に、0.25原子層のMn膜厚時に現れる(2x2)再構成構造は、蒸着温度、As分子供給の有無によって数種類の構造モデルが確認された。これらの表面構造のうち、(2x2)ガンマ構造と名付けた表面再構成構造について、第一原理計算を用いたモデリング・構造安定性評価を行い、この表面構造は基本的に、(2x2)ユニットセル内に(1)一対のGa-Asのダイマー、(2)1個のMn原子が存在する表面であること、また、Mn原子は、ダイマーダイマー間位置が最も安定な吸着位置であることがわかった。この表面構造について、電子状態計算を行ったところ、Mn原子のコアスピン数は5であり、(110)表面上のMnあるいはバルクGaAs中のMn原子とは異なるスピン状態をとることが明らかになった。これらの成果を、アメリカ物理学会誌をはじめとする専門誌、国際会議等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)