2012 Fiscal Year Annual Research Report
単一量子状態選別三重項酸素分子ビームによる表面反応スピン・立体効果の解明
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22360021
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
倉橋 光紀 独立行政法人物質・材料研究機構, 極限計測ユニット, 主幹研究員 (10354359)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 表面・界面物性 / 化学物理 / 原子・分子物理 / 磁性 |
Research Abstract |
本計画の最終年度である本年度は、昨年度末に納入された試料作製および分析用超高真空装置の立ち上げ、および本システムを用いた状態選別酸素分子線による酸化反応立体異方性測定を行った。作製した超高真空装置は、試料作製室、分析室およびロードロック室から構成される。作製室には既存のAES分析用可動式円筒鏡面分析器、LEED光学系、スパッタイオン銃、電子衝撃蒸着源および膜厚計を設置し、2000℃加熱可能な試料ホルダーを製作・設置した。これにより表面組成・構造分析、加熱清浄化、薄膜作製を可能にした。また分析室ではKing-Wells法による付着確率計測、阻止電位分析器によるスピン偏極準安定脱励起分光測定が実施できるようにし、性能確認も行った。両チャンバーの到達真空は10-11Torr台である。次に、本装置を用いてアルミニウム表面酸化、微傾斜シリコン表面酸化における反応立体効果を観測した。アルミニウム表面酸化は表面酸化の最も基本的な例として過去に詳しい研究があるが、反応機構は良く理解されていない。並進エネルギーが低い条件下では、分子軸を表面垂直にして反応するabstraction機構が主プロセスとする機構が近年広く支持されている。我々は本装置を用いて吸着確率の分子軸方位依存性測定を行い、低速では表面平行な分子が主に反応することを証明した。また表面垂直な分子の解離活性化障壁は平行分子より0.1eV程度高いことを示し、低速でabstractionが主とする反応機構が不適切であることを明示した(H24年秋物理学会)。また微傾斜Si(100)表面を用いた酸化実験を行い、酸化速度が分子軸とSiダイマーの方位角にも依存することを明らかにした(H25年春物理学会)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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