2011 Fiscal Year Annual Research Report
導波路を利用した新しいテラヘルツ発生用有機デバイスに関する研究
Project/Area Number |
22360029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉村 政志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60314382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水津 光司 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (20342800)
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Keywords | テラヘルツ / 応用光学・量子光工学 / 先端機能デバイス / 量子エレクトロニクス / 結晶成長 |
Research Abstract |
有機非線形光学結晶DASCの溶媒蒸発法を検討し、導波路加工に適した薄板状結晶の作製を試みた。素子厚さ100μm以下、結晶幅3mm程度の高アスペクト比結晶を得ることに成功した。導波路のクラッド材に適した紫外線硬化樹脂を探索し、テラヘルツ波帯域で高透過性を有し、有機結晶を溶解しない材料を選定した。導波路加工を行うため、パルス紫外レーザー(波長266nm)を用いた方法と、反応性イオンエッチングを用いた方法を検討した。2波長OPOパルス光を作製した導波路に入射し、テラヘルツ波信号の発生を確認した。最終年度は素子端面処理を検討して、本格的な実験を行う予定である。 有機非線形光学結晶へのアニーリング処理を行い、レーザー照射耐性の改善に成功した。結果として高励起状況下でのテラヘルツ波発生を可能とし、出力の増強に成功した。また、As-grownの結晶では大型の結晶育成を行うと、結晶個々・結晶内でレーザー耐性のばらつきがあり、定常的なテラヘルツ波発生に問題点があった。アニーリング処理により高収率で1GW/cm^2程度の結晶が得られ、単なる高出力化のみならず、高励起下での定常的な結晶の使用も可能となった。 また、有機結晶OH1の育成、テラヘルツ波発生を行い、DAST結晶と同程度の出力のテラヘルツ波を得た。今後の加工等によるデバイス化を視野に入れると、機械的特性、熱力学的特性などの点で複数の候補結晶を準備しておき、デバイスによって最適な有機結晶を選択する事が重要となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
結晶成長、レーザー損傷耐性に関する研究開発は順調に推移しているが、導波路加工の条件探索に時間を要したため、テラヘルツ波発生の実験がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
作製した導波路素子の入出射端面の加工処理を外部委託によって進め、最終年度内に新規導波路素子を用いた広帯域テラヘルツ波発生を実証する。
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Research Products
(13 results)