2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360051
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
合田 公一 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10153743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 淳二 山口大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (00398992)
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Keywords | グリーンコンポジット / 天然繊維 / 強度 / 繰返し負荷 / 二軸引張試験 |
Research Abstract |
本研究は,グリーンコンポジットの広範な実用化を目指して,代表的な高強度天然繊維であるラミー麻と熱可塑性樹脂であるポリプロピレン(似下,PPと略記する)を複合化させたラミー麻/PP複合材料を作製し,この材料に繰返し引張負荷処理を施すとともにその機械的特性を改善することを目的としたものである. ロール混練によりPP,ラミー麻繊維および相溶化剤(MAPP)を混練温度175℃で20分間混練した.混練後,圧縮成形により平板状にした後,等応力分布域を確保するため十字型に切り抜いて,試験片を作製した.試験装置は,昨年度製作した2軸同時繰返し引張試験装置を用いた.繰返し効果を発現させ持続させるためには残留ひずみを発生させる必要があり,残留ひずみを示す負荷応力を事前にFEM解析により求めた.解析結果より〓み部に最大応力の90%を与えることで,計算上,応力集中部でも破断せず中心部に塑性域に入ることが明らかになった、そこで,この応力レベルで繰返し負荷処理を施した. PPに等2軸同時繰返し引張負荷処理を施すことにより,これより切り出した試験片のヤング率が多少向上するものの機械的特性の変化は小さいことが判明した.このことから2軸による引張負荷処理においてもPPに対する改善効果はさほどないと考えられる.次に,Ramie/PP複合材料においては等2軸同時繰返し引張負荷処理を施すことにより,これより切り出した試験片の引張強度,ヤング率は向上した.この処理では様々な角度に配向している繊維に均等に負荷をかけることができるため,ある程度の向上率が得られたと考えられる.また,Ramie/PP複合材料においては引張負荷後において異方性が大きくなった.これは,材料内部の局所的な繊維配向や繊維含有率の違いによって処理効果が不均一に現れたためと考えられる.今回は,試験本数が少なかったため,さらに本数を増やし正確なデータ収集を行う予定である.また,複合材料の異方性低減のための等方的な強化方法を今後の検討課題としたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
発注して購入した2軸引張試験機の荷重の出方がX軸とY軸で違っているようである.このため,試験片を等二軸負荷で処理しても機械的性質の等方的変化がみられない.早急に修理もしくは校正等を行う必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
2軸引張試験機を修理するとともに,試験片にさらに荷重を負荷できるように十字型試験片用のタブを取り付けて改良する必要がある.その上で,当該材料の二軸負荷効果を評価する予定である.
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Research Products
(1 results)