2010 Fiscal Year Annual Research Report
高強度非球面金型の超精密切削を可能にするためのナノ粒子潤滑揺動切削法
Project/Area Number |
22360055
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
閻 紀旺 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40323042)
|
Keywords | 超精密切削 / 金型加工 / 工具摩耗 / ナノ粒子潤滑 / ダイヤモンド工具 / 硬脆材料 / 非球面 / 光学部品 |
Research Abstract |
本研究では,高強度金型材料の超精密切削加工を可能にすることを目的としている.平成22年度では,提案した工具揺動切削法における揺動誤差の機上計測・NCデータ補正システムの開発および揺動速度の最適化実験を行った.具体的な研究内容および研究成果は次に示す通りである. 1.揺動誤差の機上計測・NCデータ補正システムの開発:工具の揺動誤差をオンラインで測定するために,ダイヤモンドRバイト逃げ面を直接測定可能なレーザプローブ式非接触機上計測装置をメーカと共同で開発し,加工機に搭載した.また,機上で測定した揺動誤差データに基づいて切削加工用NCデータを自動的に修正するための補正プログラムを開発し,加工機B軸中心へのバイト曲率中心の設定誤差が存在しても加工精度に全く影響しない高精度加工が実現できるようにした. 2.揺動速度の最適化実験:揺動切削法においてダイヤモンドバイトの揺動速度の制御が最も重要である.適正な揺動速度で切削を行うことによって,刃先の温度上昇が抑えられ,ダイヤモンドの酸化や拡散現象を抑制することが可能である.そこで,揺動速度0~90deg/minの範囲で変化させて切削実験を行った.その結果,揺動速度の増加につれてバイト逃げ面摩耗幅が飛躍的に減少することを明らかにした.一方,過大な揺動速度を用いると切削プロセスが不安定になるため,本研究では45deg/min前後を最適な揺動速度範囲とした. 以上の成果は,今後の高強度金型材料の超精密切削加工機構の究明や加工プロセスの最適化などに有用な情報提供できると考えられる。
|
Research Products
(4 results)