2010 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルスレーザー加工におけるパルス累積効果の新しい可視化方式による解明
Project/Area Number |
22360060
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 義郎 国立大学法人長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60176378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邉 里枝 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (70432101)
磯部 浩已 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (60272861)
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Keywords | 超短パルスレーザー / パルス累積効果 / 超硬 / 高速度撮影 / 可視化 / 穴あけ加工 / 薄膜 |
Research Abstract |
高速度ビデオカメラと高繰返しのナノ秒パルスレーザーを同期させ、高時間分解能の撮影システムを構築した。これを、1kHzの繰返しの超短パルスレーザーによる、超硬合金のパーカッション穴あけ加工と、多層構造薄膜試料の加工過程の観察に適用した。 パーカッション穴あけ加工の観察では、初期の計画通り、照射パルス数1~1000までの加工穴径の拡大の様子と、加工くずの排出挙動の観察に成功した。カメラと照明レーザーを30kHzで発振させたので、加工用レーザー1パルスあたり33μs間隔で30枚の画像を撮影することができ、これによって、30μm程度の大きさの加工くずの塊が、間欠的に加工穴から排出される様子をはじめて撮影することができた。また、パルスエネルギーの影響についても、初歩的ながら結果を得ることができた。 多層構造薄膜(有機太陽電池)の加工においては、ビームを走査するライン加工を行い、膜の構成物質の差異やパルスのオーバーラップ率の影響を観察した。直接の画像からは変化が明確ではない場合でも、前後の画像の差分をとると、変化を明確にとらえることができることを示した。 さらに、加工用レーザーと撮影用レーザーの発振タイミングにディレイをおくことによって、より短い時間間隔(今年度は5μsとした)での撮影にも成功した。 上述のように、今年度の成果として、累積パルス数の効果を直接観察するための、新奇な可視化手法を確立することができた。 側方からの撮影については、試料表面端からの回折の影響が大きく、十分な解像度が達成されておらず、試料形状や撮影光学系に関する工夫が必要である。
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Research Products
(10 results)